TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

『こんなとき私はどうして来たか』(中井久夫著、医学書院、2007年刊)を読み終えた

 本日は東大病院で復部MRI検査の日だった。その道中で本書を読み進めていま残りを読み終えた。昨日に続き、4.「病気の山」を下りる、5.回復とは、治療とは・・・を一気に読んだ。さらに、付章1インタビュー多少の補記を兼ねて、付章2精神保健いろは歌留多、あとがきにかえて、までを全部読んだ。感想はこうだ。

 この本は中井久夫さんの「自分史」みたいな本だ。有馬病院での講義の記録なんだが「講義」っていいながら、「こういうケースではこうする」と偉そうに説明するのではなくて、「私はこうやってきたんだがね・・・」って、自分の経験を話している記録である。京大法学部に入って、途中から医学部に転じて、最初は「京都大学ウイルス研究所」に入る。5年以上もいてウイルスの基礎研究をを行い、学位までとっている。その途上でペンネームで日本の医学を批判する本を書いた。それが因で、教授から「自己批判せよ」と言われ、断って破門された。ウイルス研をでる。あるきっかけで精神科に転ずる。大阪大学でさらに学び、精神科に転じ、東大の目白分院の精神科に勤める。そいう流れである。
 本書『こんなとき私はどうして来たか』はもともとは医学書院の雑誌「精神看護」に連載されたもののようだ。石川成子さんが担当していた。「ケアを開くシリーズ」の一冊にしたのは編集者の白石正明さんだ。付章に載っている「精神保健いろは歌留多」は「歌留多」としてしても独立して刊行されたと思う。この本より前に『看護のための精神医学(中井久夫山口直彦)』も出版されている。この本も白石正明さんが編集して作った本だ。読んでみたい。