TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

てふてふが一匹韃靼海峡を渡っていった!

 てふてふが一匹韃靼海峡を渡っていった! (安西冬衛

 昨日のブログで与謝野晶子の「金色のちいさき鳥のかたちして・・・」にふれた。「ちいさきてふの・・」ではなかったろうか? そんな記憶の間違いから、旧仮名で蝶(ちょう)は「てふ」と書くんだよねとか話したりした。秋風に黄色い銀杏の葉がちらちらと散っていく様は小鳥のようでもあり蝶の舞うようでもある。この歌は中学の教科書で習ったんだと思ったところで連想的に冒頭の短詩を想い出した。ネットで調べてみると作者は安西冬衛という詩人だと言う。詳しく調べる前にこの詩に対ての私のイメージを書きたい。
 「てふてふ」は揚羽蝶ではなくて普通の平凡な紋白蝶だろう。群れではなくて一匹というのはこの蝶の独立独歩の生き方を示している。韃靼海峡の位置を調べると旧樺太とユーラア大陸との間で間宮海峡のことであった。蝶はもう渡って行ったのである。帰ってはこないのだろう。生きる一回性と敢然と生きていく様を感ずる。
 ここまで書いてから上記の歌について解説を読んだ。作者の安西冬衛は韃靼海峡を挟んだ大陸で病に伏せっている。旧樺太はその頃は日本領土だった。作者は望郷の念に駆られて蝶に海峡をこえる夢を託しているということらしい。