TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

私の「医人たち」の肖像―(25)石井均さんと糖尿病医療学

(25) 私の「医人」たちの肖像―石井 均さんと「糖尿病医療学」入門

 

  • 2019年1月4日:

医学界新聞の2019年1月7日付(新年)1号に掲載の「新春随想」に、石井 均さんが「AIの窓から見える『糖尿病医療学』の本質」というエッセイを書いていた。
 それを読んでこの私のシリーズブログに石井さんを急遽とりあげた。

「医療にかかわる身体的および心理的技術が必要な職業は10~20年後にも残る(AIが取って代わりにくい)職業トップ25に多数入っていた」と書かれていた。
 糖尿病という病はAIでも手に負えないのだということだろう。

「糖尿病診療マスター」創刊■

 今から15年くらい前に糖尿病臨床の関連雑誌「糖尿病診療マスター」の創刊に携わった。その折に先ず一番に企画の相談にのって頂いたのが石井 均さん(当時は天理よろず相談所病院・糖尿病内科)である。
 石井さんは15年ほど前から「糖尿病医療学」を提唱している。この学問領域は、糖尿病治療の人間学的側面に焦点をあてた新しい領域である。また、症例を中心に特に医療者―患者関係に焦点を当てた「日本糖尿病医療学会」を設立して学術集会も開催している。
 創刊した雑誌の編集委員の一人に石井さんに参画いただいた。この雑誌の特集には何度も石井さんの提唱する「糖尿病医療学」の関連テーが再三とりあげられた。
 ■「糖尿病診療マスター」休刊■

「糖尿病診療マスター」誌gは、2017年12月号(第15巻12号)を以て休刊となった。
 「2003年に創刊しました『糖尿病診療マスター』誌は、総合的かつ個別的な医療が求められる糖尿病診療における実践的な専門誌として、長い間、多くの読者の先生方に愛されてまいりました。しかしながら、昨今のインターネットなどの電子メディアの影響、読者ニーズの多様化と市場環境の変化により、現在の発行形態を維持することが難しく、第15巻12号を以て休刊させていただくことになりました。」
 出版社からの「休刊のお知らせ」という告知にこう書かれていた。休刊とは、廃刊を意味することが出版界の慣例である。2003年の創刊時から採算的には厳しい状況だった。結局は商業出版としては成立しえなかったのだ。創刊に従事したものとして一抹の淋しさと忸怩たる思いがある。ただ、この雑誌は石井さんという糖尿病医療の担い手の一人が提唱した「糖尿病医療学」という新たな分野を啓蒙する媒体としての役割を十分に果たしたといえるのではないか。糖尿病という病はAIでは手に負えない厄介な病(やまい)である。
 (2019.1.4)
(私の「医人」たちの肖像―(25)石井 均さんと「糖尿病医療学入門」)