国境なき医師団(MSF:MedicineSans Frontiers)から活動報告書(ACT!2月号)が届いた。それには昨年8月1日に世界保健機構(WHO)と地元保健省から流行宣言が出されたコンゴ民主共和国におけるエボラ出血熱への対応が紹介されていた。エボラ出血熱は2014年~2015年にかけてギニア、リベリア等の西アフリカ一帯で猛威を振るった流行が記憶にある。テレビの画面でその惨状を目にしたことを覚えている。コンゴ民主共和国における2018年の流行宣言からわずか3カ月余りで344人以上の感染が確定し、202人の命が奪われたという(コンゴ保健省発表、2018年11月16日現在)。MSFは現在、エボラ治療センターを北ギブ州の2ヶ所で運営している。このセンターではエボラ出血熱の治療に特化した施設で患者を隔離して治療できるほか、血液サンプルを施設内の検査室で扱い迅速な感染の判定と治療が行なえるようになったという。センターでは複数の日本人の医師や看護師がMSFスタッフに参加し活動を行っている。この方たちに対して心より敬意を表し幾ばくかの寄付を寄せることが私の責務なのだろう。折角の機会なのでエボラウイルスについてインターネットで少し調べてみた。
■エボラウイルスとは?■
「エボラウイルスはこれまで1976年に初めてその存在が確認されて以来、中央アフリカでのみ流行してきたウイルスである。エボラウイルスはマイナス1本鎖RNAをウイルス遺伝子として持ち、フィロウイルス科エボラウイルス属に分類される。フィロウイルス科には他にマールブルグウイルス属があり、マールブルグウイルスの1種だけが知られているが、エボラウイルス属の場合、これまで5種類の存在が知られている。ザイールエボラウイルス(Zaire ebolavirus)、スーダンエボラウイルス(Sudanebolavirus)、ブンディブギョエボラウイルス(Bundibugyo ebolavirus)によるエボラウイルス病はアフリカ中央部で流行してきたが、主にザイールエボラウイルスとスーダンエボラウイルスが流行の原因ウイルスとなっている。ブンディブギョエボラウイルスは2007年にウガンダでの流行時に初めて新規エボラウイルスとして確認された。ザイール、スーダン、ブンディブギョエボラウイルスによる流行では、致命率がそれぞれ80~90%、約50%、約30%である。」
以上のエボラウイルスの説明は、黒須 剛・西條政幸両氏(国立感染症研究所ウイルス第一部)による報告分から引用した。エボラウイルスは随分と最近に発見されたウイルスなのだ。C型肝炎ウイルス、エイズウイルスと同じくRNAウイルスであるのが興味深い。
以上のエボラウイルスの説明は、黒須 剛・西條政幸両氏(国立感染症研究所ウイルス第一部)による報告分から引用した。エボラウイルスは随分と最近に発見されたウイルスなのだ。C型肝炎ウイルス、エイズウイルスと同じくRNAウイルスであるのが興味深い。