TomyDaddyのブログ

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私の「医人」たちの肖像―(89)Ecclesさんと講演会「人間とは何か―科学と哲学の接点から」~1990年11月9日(金)

(89)Ecclesさんと講演会「人間とは何か―科学と哲学の接点から」~1990年11月9日

 

   1990年11月9日。1991年の新年号企画「高久史麿・井村裕夫対談:21世紀への内科学」の速記録の整理を、日中に行った。そのあと、夕刻17~21時まで、四谷の上智大学講堂における「エックルス講演会」に参加した。
Eccles講演会―上智大学
1990119日((金):
 東大生理学・教授の伊藤正男先生がオーストラリアのエックルス(John Carew Eccles)研究室に留学して戻られたことは有名である。この時のエックルス博士の来日は数少ない一つであったと思う。
 講演会は、井口記念人間科学振興基金設立5周年記念講演会「人間とは何か―科学と哲学の接点から」というものだった。井口さんとは、井口 潔先生(九州大学・名誉教授)のことで、消化器外科医であり、ピアノの名手として知られていた。講演会の司会を、本間三郎先生(千葉大名誉教授・生理学)が務めていた。講演会の同時通訳を、植村研一先生(浜松医科大学教授・脳神経外科)が行った。
 脳研究の泰斗エックルス博士は、「人類の究極の問題―脳を持つ心」という、博士の研究の集大成というべきテーマに、その日の講演で迫った。
■エックルス( John Carew Eccles)■
 エックルスさんは、1903年1月27日、オーストラリアのメルボルン生まれの神経生理学者である。1997年5月2日に94歳で逝去された。
 メルボルン大学とオックスフォード大学で学んだ。オックスフォードでは、英国の生理学者チャールズ・シェリントン(Charles Scott Sherington)と共に研究に従事した。抑制性シナプス後電位(IPSP)の発見により、1962年にロイヤル・メダル、1963年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。1977年には、カール・ポッパーと共著で、”The self and its brain”(邦訳『自我と脳』)を書いて、世界的な話題となった。この本の中で、「精神が脳をコントロールしている」という二元論を唱えている。
 エックルスさんというと、東大(生理学)の伊藤正男さんの先生という印象が強い。伊藤正男さんも昨年(2018年)逝去され、時代の流れを感ずる。
( 2019.5.13)


私の「医人」たちの肖像―〔89〕 Ecclesさんと講演会「人間とは何か―科学と哲学の接点から」 ~1990119日)