●「私のC型肝炎物語」第5章:MSD社の治験に参加(第13回)治験後7週から12週まで
●2015年8月25日(火)治験後7週目~12月15日(火)治験後12週目:
(1) 8月25日(火):起床6時01分。6時39分発で若葉台から本郷へ。7時49分に東大病院の受付。8時15分に採血。採血の後で地下の三四郎で朝食。9時5分にDM内科の診察を終了。GA(グリコアルブミン)が前回(6月18日)の18.8から20.6へと上昇していた。次いで、HCV内科も受診した。AST,ALT,γGTPは36,33,48であった。基準値は超えているが横ばいであった。11時20分に若葉台に着いて、帰宅して家で昼食。一休みしてから15時3分に横浜総合病院にY子の見舞いに行った。CT検査のあとで少し吐いてしまったという。麻生リハビリ病院への転院が近いのに心配である。17時10分~18時5分分頃まで面会した。夕食介助を始めたときに妹のM子が来てくれた。後を託して帰宅した。
(2) 9月29(火):起床5時50分。本日は服薬後に最初の治験診療日だ。6時15分発で若葉台から本郷へ。7時3分頃に本郷に着いて、駅近でモーニングコーヒーと卵サンドの朝食を済ませた。8時20分に東大病院受付。採血と心電図計測を済ませた。9時45分に浅岡先生の診察。AST,ALT、γGTPは、44,38,48と基準値を超えているが前回とあまり変わりはない。血糖値が220と高い。10時45分には終了した。12時30分に若葉台に戻って昼食を食べた。午後13時過ぎに帰宅して一休み。15時30分に新百合ヶ丘に行き16時20分の送迎バスで麻生リハビリテーション病院へ見舞いに行った。
(3) 10月27(火):起床5時50分。本日は糖尿病の受診日である。かつ午後にY子が退院である。若葉台を6時38分に出発した。東大病院には7時50分頃着。採血、検尿を済ませて地下の三四郎でモーニングの朝食。9時50分頃に診察。AST,ALT,γGTPは、56,57,58と上昇していた。GAが20.9なのでこれも上昇していた。10時過ぎには終了して11時40分に帰宅した。帰路に永山で昼食を済ませた。12時30分~15時30まで掃除をした。15時35分頃にY子が帰宅した。私が東大通院日だったので三女RとK妻が車で連れてきてくれた。Rの持ってきてくれた栗ご飯、隣のIさんからの赤飯と解凍したホタテで夕食にした。
(4) 12月15日(火):起床6時25分。本日は治験服薬終了後に2回目そして最終受診日であった。6時25分に起床。6時58分に家を出た。若葉台発7時12分で新宿へ行く。本郷に7時22分頃について、東大病院の受付は7時33分。7時35分頃に2階の治験の部屋に着いた。本日の担当は中門さんであった。採血、超音波、心電図検査も順調に進んで8時35分には終了した。かなり待って内科受診は10時35分頃になった。血液検査の結果、AST,ALT,γGTPは、53,54,48であった。血糖は166であった。血小板(PLT)が15.3と増えていた。この日で、MSDの治験全日程が終了した。次回の診察日が2016年(平成28)年3月8日(火)に決まった。ちなみに私がMSDの治験服薬に参加していた2015年9月に、C型肝炎(1型)のインターフェロン・フリーの飲み薬の新薬「ハーボニー」に対して厚生省の認可がおりた。
■MSD社治験(JapicCTI-142638)参加■
① 試験の名称:日本人C型肝炎を対象としたMK-5272及びMK-8742 併用投与の安全性、忍容性及び有効性を評価するための第三相無作為化プラセボ対照試験。MK-5272はNS3/4A阻害薬、MK-8742はNS5A阻害薬である。
② 期間:2015年4月7日~12月15日
④ 治験の前年2014年に、HCVのDCV耐性変異検査を検査会社(SRL)で有料で受けていた。その結果、L31変異株、Y93は野生型であった。治験終了後にY93にも変異株が発生した。
■新薬グラジナ・エレルサ承認―2016年9月■
私が参加したMSD社の治験薬は、翌2016年3月に厚生省に対して新薬認可申請が出された。その6か月後の9月には承認され11月18日に発売された。承認に到るまでのMSD社の治験の概要は2016年5月20日の日本肝臓学会総会で虎の門病院肝臓センターの鈴木文孝さんが報告しているのを知った。
以下「日刊薬業新聞(2015年5月20日付)」から概要を引用記述する。
MSD社が新規C型慢性肝炎治療薬として国内で承認申請中のNS5A阻害剤エルバスビル(MK-8742)とNS3/4Aプロテアーゼ阻害剤グラゾプレビルの2剤併用療法の国内第3相試験の結果を報告した。SVR12(治療終了後の12週のウイルス学的著効)率は非肝硬変群96.5%、肝硬変群97.1%と共に高く、NS5A耐性変異がある群でも93.6%であった。両剤はいずれも多くのHCV遺伝子型に対して広範な抗ウイルス活性を有する直接作用型抗ウイルスとして、1日1回投与(12週間)という特徴を持つ。試験は、ジェノタイプ1型の日本人C型慢性肝炎患者を対象に実施。非肝硬変は実薬群(227例)とプラセボ先行投与後に実薬を投与する群(74例)で、肝硬変(代償性)は実薬群(35例)で有効性や安全性を検討した。有効性については、耐性変異の有無別のSVR12率も検討した。NS3は耐性変異なし97.6%、変異あり100%で、NS5Aは耐性変異なし98.6%、変異あり93.6%だった。鈴木氏は「NS3・NS5A領域のベースライン耐性変異の有無はSVR12率に大きな影響を及ぼさなかった」と説明。また、性別、年齢など背景因子別の検討では効果に差はみられなかった。」
■「NS5A耐性変異あり」でも93.6%が著効―漏れた一人は私だ■
上記の治験結果にのんかの記述にある「NS5A耐性変異がある群でも93.6%でSVR12が得られた」に照らすと、私はSVRから漏れた少数(6.4%)に入ったことになる。その結果として新たにY93の変異株が生じたのであった。まさに、難治例に入ってしまったのだ。
(私のC型肝炎物語」第5章:MSD社の治験に参加(第13回)治験後7週から12週まで)