TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

再考「認知症」!

 老人呆け(Senile Dementia)が「認知症」に改められたのは2004年のことだった。当時の厚生省が決めたのだが、「チョット変だな」というのは医学に素人の私も感じていた。このことに関して興味深い専門家の解説記事を目にした。週刊医学界新聞に「漢字から見る神経学」という興味深いコラムが毎号掲載されている。著者は福武敏夫さん(亀田メディカルセンター神経内科部長)。面識はないが優れた神経内科の医師だ。医師の中でも神経内科の先生方は絵画や音楽や様々な芸術に造詣の深い方が多い。短いコラムなのであんまり沢山引用するのは気が引けるが以下にに引用して紹介する。(以下引用)
 「認知症」とは用語として奇妙です。正常な機能である認知の「症」となり、言語症、発汗症、歩行症などと言っているのと同じで、3000年以上の漢字文化にない用法であって何を意味するのか不明です。(中略)痴呆も痴(知ることの病)+呆(赤ん坊をおむつでくるむ様子)と分解され、赤ちゃん返りを意味しており、本来、差別的でもなく、不適切と思われません。(中略)「認知障害」なら認知が障害されていると理解できますが、何故か「障害」を排斥する傾向があるようです。(中略)しかし、「認知症」ももはや「ニンチ」と略され、差別的に用いられています。台湾では「失智症」が使われているようであり、これが原義にもかない、妥当と思われます。
 以上に引用した解説は腑に落ちる。ともあれ、2025年に80歳台を迎える団塊の世代の我々は心して呆けなくてはいけない。そして同輩や自らが「ニンチ」になっても暖かく見守ってくれる社会の仕組みを何とか今からでも作っていきたいものだ。