TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

今日の朝日歌壇から

 角川の雑誌「短歌」(2021年6月号と穂村弘『シンジケート』(沖積舎)を麻生図書館から借りてきた。

「ほんとうにおれのもんかよ冷蔵庫の卵置き場に落ちる涙は」
 やっぱり、若い斬新な歌人の誕生だったんだろうな、穂村さんの登場は。この歌人は私より15歳若い方だ。北大に入って1年少しで止めて上智大学に入りなおして、そこで歌に出会ったと経歴で知った。「シンジケート」をまずは読んでみよう。実は、歌詠みは苦しいいんだね。

 さて、今週の歌壇に移る。

<独り居の老女の安否確認を終えて跨るサドルの熱さ(観音寺市 篠原俊則)>⇒高野公彦選:篠原さん、もしかしたら定年後の私と同じくらいの人かな。他に下の唄も選ばれている。
<「逃げられる人はいいよ」と退陣のニュースに居酒屋店主はポツリ(観音寺市 篠原俊則)⇒永田和宏佐佐木幸綱共選:篠原さんこちらの歌よりも最初の歌の方がいいね。

<観たかった映画三本あきらめたコロナ下二年目の夏終わる(高岡市 池田典恵)>⇒馬場あき子選:池田さん、映画三本くらいで済めばいいよね。

<夏過ぎて夾竹桃はたましひが薄れるやうに花数減らす(岐阜市 後藤 進)>⇒佐佐木幸綱選:このような自然を詠むのもいいね。

<こんなにも甘くみずみずしい梨に一字もらって生きる(富山市 松田梨子)>⇒高野公彦選:この歌はいい。松田梨子さん、みずみずしい愛らしい女性に育っているね。もう立派な歌人である。今週の一押し歌にしよう。私の三女は梨紗と言う名前です。歌は詠まないけれど、梨のように更紗のように成長しているのが嬉しい。

気になる本のこと『ブルースレッド』(桜木紫乃さん)

桜木さんが、また本を出した。『ブルースレッド』(文芸春秋社 1650円)だ。「死に場所を求め、生きる女。裏切りの果てに辿りついた終焉の地とは。」とでていた。時間の無駄になるかなと思うが読んでみたいので記録した。「ホテルローヤル」「家族じまい」についで、またまた女性の生きぬくすさまじさを描いたのだろうか?

米メルクの開発中の新型コロナウイルス「モルヌピラビル」薬って何だ

米国の大手製薬会社メルクが新型コロナウイルスの飲み薬「モルヌピラビル」の臨床試験の中間報告を発表した。
 軽症や中等症の患者が入院するリスクを半分に減らす効果が確認できたという。臨床試験は、軽症や中等症の新型コロナウイルス患者775人を対象に実施した。二つのグループに分け、この飲み薬をと、有効成分を含まない偽薬を飲んでもらった。「モルヌピラビル」を飲んだ385人のグループでは、服薬から約1ケ月後に28人が入院し、死亡した人はいなかった。一方、偽薬の377人のグループでは、53人が入院し、8人がなくなった。服用によって副作用が増えることはなかったという。この薬は、12時間おきに5日間、計10回服用する。自宅でのむことができ、病院での治療に現在使われることが多い抗体医薬よりも普及しやすいと期待されている。

 この記事は、ワシントン=合田禄、ニューヨーク=真海喬生の外信だ。
 興味深いので概要をまとめた。しかし、この薬がどのような作用でウイルスに効くのかは皆目分からない。抗ウイルス薬なんだろうか?

古典百名山+plus 大澤真幸が読むを読んで

 古典百名山+plus 大澤真幸が読むに、ヴィゴツキー『思考と言語』が取り上げられていた。興味深いので、引用してメモリながら纏めておきたい。

 ヴィゴツキー『思考と言語』は、柴田義松さん(元東大教授)は、翻訳して新読書社から出版している。4,180円と高価である。柴田さんは、新読書社の社長の伊集院俊隆さんの友人で背の高い人だった。1980年~1990年代に何回かお目にかったことがある。教育学畑のひととは知っていたが、ビゴツキーの翻訳のことは知らなかった。

<1896年、20世紀の心理学の方向を決定する偉大な業績を後に残すことになる二人の人物が、わずか三カ月違いで生を享けた。スイスのジャン・ピアジェとロシアのレフ・ヴィゴツキーである。ピアジェは、子どもの思考が、感覚運動段階から形式的捜査段階までの四ステップで発達するとみる理論で知られる。ヴィゴツキーピアジェは良きライバルで、ヴィゴツキーの死の直後に刊行された彼の主著『思考と言語』も、ピアジェ批判にかなりの頁を使っている。>
 興味深いのの冒頭の記事を引用しておいた。

HPVワクチン勧奨再開の方向へ―子宮頸がん

 ヒトパピローマウイルス(HPV)が子宮頸がんの原因であることを発見したのは、ドイツのツルハウゼンだったと記憶する。調べて補足する。

 HPVワクチンは、2013年4月に原則無料の定期接種となった。だが、その前後に、接種後のい体の広範囲が痛むなどの「多様な症状」の訴えが相次いで報告jされた。厚労省は、同年6月に、定期接種の位置づけは維持する一方で、対象者に個別に接種を呼びかける積極的勧奨を中止した。専門家による検討部会は、多様な症状とワクチン接種との関連性は明らかになっていない、海外の大規模な調査で子宮頸がん予防効果が示されてきている―などと評価。勧奨が中止されていた間に、対象だったのに接種機会を逃した人への機会の確保なども検討するとしている。
 子宮頸がんは、子宮の入り口にできるがんである。生涯のうち1.3%の女性が診断される。ワクチンは小学校6年から高校1年相当の女子が対象で、希望すれば原則無料で受けられる (この記事は、下司佳代子さんが書いていた。2021年10月2日、朝日新聞朝刊)

 HPVワクチン接種後に副作用が見られることから政府の勧奨が中止されたことに関しては、専門家から様々な意見が出されていたと思う。このブログで触れてきた。

 

ALS iPS創薬で「停止」―治験、一部の患者で進行止まる(京大など)

<ALS iPS創薬で「停止」―治験、一部の患者で進行止まる(京大など)>という見出しの記事が朝日新聞(2021年10月1日、朝刊)に出ていた。この記事は、興味深いきじだが、まだ治験の初期段階だろう。記憶と記憶のためにまとめておく。

<京大などのチームは、9月30日、iPS細胞を使って見つけた治療薬候補の「ボスチニブ」を飲んでもらう治験の結果、一部の患者で進行を止められた可能性があると発表した。ALSの進行を食い止めた例は世界で初とみられる。
 「ボスチニブ」は、もともとは白血病の治療薬なんだという。本当に効くのかはこれからの話だろう。(野中良祐さんの署名記事だ)

『私の小説論』(車谷長吉)を読んだ!

 車谷長吉さんの『飆風』(講談社)を稲城図書館で借りてきて全部を読んでしまった。怖ろしい本である。車谷さんは変人奇人であることがよく分かった。2年位前に嚥下障害で亡くなってしまったが、それも因果応報のような気がする。きっと怖い人であったのだろう。とはいえ小説家になることを全うして死んだのだから本望であったのだろう。
 さて、「私の小説論」は件の単行本の最後に付けたしで載っていた。平成15年に上智大学ソフィア祭での講演録を雑誌「文學界」(平成16年2月号)に掲載したものを、また本に収めたものである。この講演録は凄いことがかいてあった。冒頭にはこう書いてあった。

<私は風呂に入るのが嫌いで、一カ月に1回ぐらいしか入りません。独身時代には年に三回しか入らなかった。> 

 車谷さんの講演の趣意は、人間は死ぬために生まれてきた、ということだ。いずれ死ぬことを知っているのは人間だけである。

<心なき身にもあはれは知られけり鴫立澤の秋の夕ぐれ>
 これは、西行の歌なんだという。
<「あはれ」とは、「物のあはれ」とは、人は生きいながらにしてみずからがいずれ死ぬことを知っている、その悲しみという気分です。>

 <とし暮れてわがよふけゆく風の音に心のうちのすさまじきかな>
 これは、紫式部の歌なんだという。
 <この、「すさまじき」は「淋しい」という心の内を、さらに一段強調した表現です。>

 車谷さんは、こういうことも書いている。
<近代になって以後、多くの小説が世に出ましたが、一番たくさん読まれたのは漱石ではないでしょうか。・・・・・漱石は人間にとって一番の根本問題である「淋しい」というのは、どういうことかということを中心命題にして、くり返し小説を書きました。>

<死ぬことは一番恐ろしいことですが、併し死を決して、恐ろしくないと、喜んで死ぬ主人公にした小説があります。それは深沢七郎の『楢山節考』です。>

 そうなのか、『楢山節考』を読み返してみたい。

<小説を書くことも、人の陰口、悪口を容赦なく言うことから始まります。>
<小説は、小説を書くことによって、まず一番に作者みずからが傷つかなければなりません。血を流さなければなりません。>

<人間としてこの世に生まれれて来ることは罪であり、従って罰としてしなければならないことがたくさんあります。小説を書くことも、結婚することもその罰の一つです。>

 車谷さんは凄いことをいっているよ。目から鱗でした。私には「小説」は書けそうもない。結婚が罰の一つであるとしたら、十分に罰を受けている。