TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

美しい稽古楽しい稽古ができたろうか?

 本日は合気道の水曜稽古に参加した。鈴木師範の指導で片手取りの各種の技の稽古をした。美しい稽古楽しい稽古ができたろうか?今日一日生きることに感謝して接するひとに優しくできたろうか?内村鑑三さんが人生の目的は品格の完成にあると言ったとか!今日も美味しいものを食べた。太陽の光を浴びた。でかけて帰る家がある。共に生きるひとがいる。それが感謝と喜びの何物でもない。ありがとうございました。

今日の気になる本『最後の人』(松井久子、中央公論社、1760円)のこと

 『疼くひと』(中央公論新社、1760円)のことが書評とか広告にでいたのは去年だったと思う。「古希をむかえ、老いを感じていた燿子だったが、SNSで出会った年下の男に身も心も溺れてーーーセンシュアルで真摯なラブ・ストーリー」というキャチ―が出ていた。広告に、「高齢化社会は新しい文学ジャンルを切り開いた」と上野千鶴子さんがコメントしていた。この本を読んでみたいと思っていたのだが、果たせないでいたところ、本日の広告にまた新しい本『最後のひと』(松井久子、中央公論新社、1760円)が載っていた。「毎日を幸せに生きいることに、年齢制限は、ない」とキャッチ・フレーズに書いてある。そんなこと当たり前だろうと思う。「75歳になって、86歳のひとを好きになって、何が悪いの?」って書いてある。なにも悪くないよ、と言いたい。「奇跡の出会い、周囲の偏見、肉体的交わり、終活への備え・・・・ベストセラー『疼くひと』で70代女性の性愛に向き合った著者が、実体験をふまえ「その先」を描く!」と広告に書いてある。<やっと会えた、ぴったりな人。この恋「今さら」?「それとも「間に合った」?> って、宣伝にある。著者の松井久子さんの、半身の写真も掲載されている。この本を読みたい。
 松井さんは、76歳で私と全く同年代の映画監督なんだ。上の本を読んでみたい。

 もう少し、気になる本を書いておく。

・『人類の起源』ー古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」(篠田謙一、中央公論新社、1056円。)

 2022年ノーベル賞(生理学・医学賞、スバンテ・ペーボ氏)で話題。太古のゲノムは何を語るんじょか。去年のノーベル生理学・医学賞は異質であった。最近ののノーベル用は臨床の役に立つテーマが多かった。しかし、2022年は渋い基礎生物学に焦点があたった。「ネアンデリタール人、デニソワ人とは何者か?」ということで、面白うそうだ。News Weekも特集を記事を載せていた。

「知の技法入門」(小林康夫・大澤真幸)を途中まで読んいるので書く

 「知の技法入門」(小林康夫大澤真幸)という本は、若い人向けに作った本なのだろう。先日から読んでいて、Ⅰ 入門編 第1章 「人文書入門」ータイタニック号の乗員のためのブック・ガイド を読んだ。この章の後に、「人文書案内」というのが付いている。人文書というのは、科学書ではなくて語学書ではなくて、「人文書」なんだ。①資本主義の乗り越えについて考える、②人類の歴史を考える、③身体への問い、④自然科学のと尋問科学のインターフェース、⑤20世紀の哲学や人文科学の思考がどう進んだか、という5本柱でまとめある。ここに纏められている本は、小林さんと大澤さんが読んできて血となり肉となったもののようだ。この中では、「身体への問い」の項目の本を読んでみたい。
 第2章は、「読書の技法」入門、というものだ。どのように、お二人が本を読んできたかの技術が書いてあった。この本は、河出書房の編集者の吉田久恭さんが、大澤さんに小林さんと「知の技法」のテーマで対談をしませんかと持ち掛けたんだと書いてあった。若い読者層を前提にしたものなんだろう。読んでみると面白いが、76歳の爺の私には「知の技法」を修得する時間もエネルギーもない。ただ、頭のいい人のいうこと、書くことを読むのは楽しい。この二人は、どういう経歴の人なんだろう。巻末に経歴が書いてあった。
小林康夫
 1950年、東京生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。1974年東大教学部フランス課科卒。1986年東大教学部助教授。最終的には、東京大学名誉教授。
大澤真幸
 1958年、長野県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。

 

続く。

 頭のいい人が書いた本は面白い。身体論で、「リハビリの夜」が紹介してあった。再読してみる。

「アルツハイマ―新薬 国内承認申請」の記事を読んで

 「エーザイは、1月16日に、アルツハイマー病の新薬「レカネバム」の国内での製造販売に向けた承認を厚生労働省に申請したと発表した。」 
 標記の記事が、昨日(2023年1月16日)朝日新聞の夕刊で読んだ。既に米国では承認申請が出されている。興味深いので概要を転記しておきたい。

 米国では、1月6日に、FDA米食品医薬品局)から迅速承認を受け、今月中に発売予定。価格は、年間、2万6,500ドル(約350万円、体重75キロの場合)に設定し、正式な承認に向けた申請も提出した。欧州でも、1月9日に、欧州医薬品庁(EMA)に承認申請したほか、中国でも承認に向けたデータ提出を進めている。

 ⇒「レカネバムは、アミロイドβの除去を狙った新しい薬だそうだ。本当に効くのだろうか? 昨年秋に発表した治験のデータでは、約1,800人に18カ月間投与した結果、認知症の程度を評価するスコアの悪化が27%抑えられたんだって。
 認知症になることを余り畏れても仕方がないが。齢をとって、物忘れが多くなる。本日も危険な経験をした。午前9時50分くらいに、都民生協に買い物にでた。急いで済ませて、11時頃に帰宅した。玄関で焦げ臭いと気が付いた。家内が土鍋に饂飩をいれて火をつけて消さずにいたのだった。今のガス器具は、過剰な熱さになると自然に消えるので消えていた。しかし、レンジが焦げていた。惨事になる恐れがあった。もって瞑すべしである。

三歩会で鎌倉中央公園(大船から)に行った日の気になる本「ゼロからの『資本論』(斎藤幸平)のいついて

 令和5年の「三歩会」の初回は、大船から鎌倉中央公園を抜けて、鎌倉の葛原神社を参拝して、化粧い坂を下って鎌倉駅へと歩いた。この日は、ゆっくりと新聞を読めなかったが、気になる広告が目に飛びこんできた。
「ゼロからの『資本論』」という本(NHK出版、1023円)である。先日、大澤真幸小林康夫さんの本に触発されて、二巻本の『資本論』ふぉ書棚から引っ張りだして読み始めたばかりだ。さっぱりわからんところで、件の本を見つけた。広告の文言は以下のようだ。

コミュニズムが不可能だなんて誰が言った?! 長時間労働、広がる格差、環境破壊・・・・。私たちは資本主義をいつまで続けるのか・・・。誰も見通せない「脱成長」の未来図をを、斬新なマルクス解釈で世界を驚かせた俊英がいきいきと描きだす!>

 「待望の新作!」ということなので、前作でも有名な人なのか? 興味あるので、記憶と記録のために書いておいた。後日、図書館にリクエストする。

朝日歌壇と俳壇を読んで・・・

<小春日の余りのやうな昼だから少し遠いが本屋に寄ろう(茨木市 瀬川幸子)>

<ちかぢかに来るべきものが来るようなそんな気がするプーチンの顔(名古屋市 小林有三)>⇒「小林さ、怖ろしい予感」と永田さんがコメント。

<腕を吊る兵にやさしくとカーディガン産みしは遠きクリミア戦争大和郡山市 四方 護)>⇒「負傷兵のためにカーディガン伯爵が考案したのだとか」と永田さんのコメント。こんなこと知らないよね。

➡︎永田和宏選: 全く異質な歌が選ばれている。短歌って、かなり厳しい言葉の芸術なんだね。

真珠湾攻撃の日に防衛費のための増税総理は決める(観音寺市 篠原俊則)>⇒馬場あき子選:

<三年ぶりの町内会の落葉掃きみんあ待ってたこんな日常(つくば市 山瀬佳代子)>⇒佐佐木幸綱、高野公彦共選: 山瀬さんの歌が、二人の選者が選んでた。単純に事実を歌っているというより、57577に、気持ちを載せたというのだろうか?

<応援に会釈を返す子もおりぬ三年ぶりのマラソン大会(奈良市 山添聖子)>⇒高野仁彦選:
 ⇒奈良の山添さんは、素直に日常の風景を切り取り歌うのが上手い。もう一つも載っていた。
<セーターに頭をもぐらせてくる子「ケンタウロスになろう」と言いて(奈良市 山添聖子)

⇒今週の私のお気に入りはこれにした。

小春日の余りのやうな昼だから少し遠いが本屋に寄ろう茨木市 瀬川幸子)

 次に、俳壇に移る。

<親ガチャと悲しい言葉去年今年(立川市 笠間 茂)>⇒小林貴子選: <「親ガチャ」を私は諾わない。私は私の二親からしか生まれなかったのだから。>と、選者の小林さんがコメントしている。嫌な言葉が流行ったね。

<父祖に謝し大地を讃えて大根抜く(茅ヶ崎市 清水呑舟)>⇒大串章選:

: 清水さん、実に謙虚な方だ。大根を抜く時に、大地を讃えるんだって。本当だね。土の力だ。

 今週は、第39回朝日俳壇賞が載っていた。4人の選者が、一年(2022年)の一句を選んでいる。

<一億の怒りの葡萄となりにけり(八王子市 額田浩文)⇒長谷川櫂選:
 :「文学的迫力ある国葬の句だった。」と長谷川さんの選評あり。

<人生に空籤(からくじ)はなし竜の玉(中間市 松浦都)>⇒大串章選:
 「俳句を詠む際には、見たものを瞬間的に切り取りたいと思っています。」と作者が言っている。

<何だか大人っぽい雨後の新樹よ(藤岡市 飯塚柚花)>⇒高山れおな選:

<玉虫のかしやと音して飛び立てり(我孫子市 藤崎幸恵)>⇒小林貴子選:
 「玉虫が発つ時の質感が音により捉えられた。生物の多様性に思い至る。」と、小林さんが評している。「かしや」という音は、「カシャ」という感じではないだろうか?
 作者の藤崎さんは、「夏の昼さがり。玉虫が美しい羽を割って飛び立つのをみた。鋭くかたい羽音が聞こえた気がした。句作においては、常に虚実の間を遊びたいと思っている。」と言っている。

 今週の一押しの句はこれだ。

父祖に謝し大地を讃えて大根抜く(茅ヶ崎市 清水呑舟)

君和田怜の新刊『原子力空母を撃て!』を読み解く

 君和田怜の新刊『原子力空母を撃て!』を読み解く

 新しい形のSF小説誕生として捉えた。君和田怜さんの新刊『原子力空母を撃て!』を読み終えての印象だ。単なるSF(サイエンス・フィクション)ではなく、バイオサイエンス・フィクション(BSF:Bioscience Fiction)と言ってよいだろう。

 2020年のノーベル化学賞が、「ゲノム編集」に与えられたことは記憶に新しい。この技術が開発された2012年から8年後という早さで、ノーベル賞に輝いた。受賞したのは二人の女性科学者だ。少し前の2014年に「STAP細胞」論文捏造事件が起こり巷間を賑わしていたが、「ゲノム編集」は文字通りリケジョ(理科系女子)の快挙だった。

「ゲノム編集」とは、動植物などの遺伝子を、ねらい通りに壊したり新たに挿入できる技術である。この新技術「CRISPR/Cas9」(クリスパー・キャスナイン) は、従来の手法よりも格段に使いやすく、分子生物学に革命をもたらしたと言われた。「ゲノム編集」は遺伝子を操る技術なので、これを使うには倫理面や安全性の検討が欠かせないのは当然のことだ。中国の科学者が、この技術を使ってエイズウイルスに感染しにくい赤ちゃんを誕生させて、世界中の批判を受けたのは2018年の秋だった。

 上述した「ゲノム編集」の技術を底流に忍ばせながら、君和田怜さんは、「ゲノム編集」を密かにヒトに用いたデザイナーベビーの物語を展開する。主人公は鹿居純一という青年とクリスという米国人である。二人は横須賀米軍基地のサプライヤードに勤務する同僚である。物語の舞台は基地の街横須賀であり、実在する飲食店(飲み屋、バー、マーケット、等々)とそこに働く人間像が巧みに配置されている。 

 <僕に与えられた任務は、原子力空母「ロナルドレーガン」を爆破することだった。世界最強の巨大空母を爆破するという計画を最初に聞いたときは、僕は逡巡し、恐れ慄き、そしていままでの人生で一度も感じたことのない不思議な高揚感を覚えた。>

 荒唐無稽のようにもみえるが、知らないうちに進行しているかもしれない「本当のこと」を君和田怜さんは、コミカルにそしてケミカルに物語り、世に問いかけた。

 結末はどうなるのだろうか?それは読んでのお楽しみとして残しておこう。