TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

朝日歌壇と俳壇を読んで・・・

<小春日の余りのやうな昼だから少し遠いが本屋に寄ろう(茨木市 瀬川幸子)>

<ちかぢかに来るべきものが来るようなそんな気がするプーチンの顔(名古屋市 小林有三)>⇒「小林さ、怖ろしい予感」と永田さんがコメント。

<腕を吊る兵にやさしくとカーディガン産みしは遠きクリミア戦争大和郡山市 四方 護)>⇒「負傷兵のためにカーディガン伯爵が考案したのだとか」と永田さんのコメント。こんなこと知らないよね。

➡︎永田和宏選: 全く異質な歌が選ばれている。短歌って、かなり厳しい言葉の芸術なんだね。

真珠湾攻撃の日に防衛費のための増税総理は決める(観音寺市 篠原俊則)>⇒馬場あき子選:

<三年ぶりの町内会の落葉掃きみんあ待ってたこんな日常(つくば市 山瀬佳代子)>⇒佐佐木幸綱、高野公彦共選: 山瀬さんの歌が、二人の選者が選んでた。単純に事実を歌っているというより、57577に、気持ちを載せたというのだろうか?

<応援に会釈を返す子もおりぬ三年ぶりのマラソン大会(奈良市 山添聖子)>⇒高野仁彦選:
 ⇒奈良の山添さんは、素直に日常の風景を切り取り歌うのが上手い。もう一つも載っていた。
<セーターに頭をもぐらせてくる子「ケンタウロスになろう」と言いて(奈良市 山添聖子)

⇒今週の私のお気に入りはこれにした。

小春日の余りのやうな昼だから少し遠いが本屋に寄ろう茨木市 瀬川幸子)

 次に、俳壇に移る。

<親ガチャと悲しい言葉去年今年(立川市 笠間 茂)>⇒小林貴子選: <「親ガチャ」を私は諾わない。私は私の二親からしか生まれなかったのだから。>と、選者の小林さんがコメントしている。嫌な言葉が流行ったね。

<父祖に謝し大地を讃えて大根抜く(茅ヶ崎市 清水呑舟)>⇒大串章選:

: 清水さん、実に謙虚な方だ。大根を抜く時に、大地を讃えるんだって。本当だね。土の力だ。

 今週は、第39回朝日俳壇賞が載っていた。4人の選者が、一年(2022年)の一句を選んでいる。

<一億の怒りの葡萄となりにけり(八王子市 額田浩文)⇒長谷川櫂選:
 :「文学的迫力ある国葬の句だった。」と長谷川さんの選評あり。

<人生に空籤(からくじ)はなし竜の玉(中間市 松浦都)>⇒大串章選:
 「俳句を詠む際には、見たものを瞬間的に切り取りたいと思っています。」と作者が言っている。

<何だか大人っぽい雨後の新樹よ(藤岡市 飯塚柚花)>⇒高山れおな選:

<玉虫のかしやと音して飛び立てり(我孫子市 藤崎幸恵)>⇒小林貴子選:
 「玉虫が発つ時の質感が音により捉えられた。生物の多様性に思い至る。」と、小林さんが評している。「かしや」という音は、「カシャ」という感じではないだろうか?
 作者の藤崎さんは、「夏の昼さがり。玉虫が美しい羽を割って飛び立つのをみた。鋭くかたい羽音が聞こえた気がした。句作においては、常に虚実の間を遊びたいと思っている。」と言っている。

 今週の一押しの句はこれだ。

父祖に謝し大地を讃えて大根抜く(茅ヶ崎市 清水呑舟)