TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

スーパー歌舞伎は超喜劇なんだ!

 スーパー歌舞伎Ⅱ新版「オグリ」を観て来た。1991年に初演された梅原猛原作「オグリ」の第2弾だという。歌舞伎というとチョット古いと思っていたが、現代風なアレンジと演出だ。若者たちの集まりである小栗党の面々はみんな何かしら落ちこぼれ、社会からのはみだし者の設定だ。小栗四郎は元女性の性同一障害のようだ。六郎は野球帽を被った小柄な坊やの仕立てだ。主人公の藤原正清こと小栗判官は眉目秀麗かつ武芸に優れた名家の生まれのようだ。第2幕で地獄に落ちた判官は閻魔大王とその妻と対決する。この閻魔大王が殆ど喜劇役者である。一旦毒殺され地獄に落ちた判官は閻魔大王により身体が徐々に腐ってゆく病を持ったまま娑婆(現生)に追い戻される。そこで幾多の苦難を負いながら土車をいろんな人に曳いてもらい熊野を目指す。最終的には熊野に辿りつき癒しの湯に入りよみがえる。これらドタバタの大スペクタルは本来は悲劇である筈なのだが、必ず何処かに喜劇的側面というか遊びが含まれている。観客は最終的にハッピーエンドが分っているので安心して観て居られる。「スーパー新歌舞伎」って「超喜劇」なんだと初めて知った。公演は午前11時からのマチネで三幕もので4時間に及んだ。途中二回の休憩(30分・20分)の間に観客はお弁当を食べていた。観客の殆どが中年以降の女性(婆さま)で爺様(私のように)が少しいた。新歌舞伎は上等な娯楽なんだと感じた。甚大な被害をもたらした台風19号の惨事の直後だが新歌舞伎を満喫した。

 (2019.10.18)