卒論のテーマの大江健三郎逝きて徹夜の青春はるか(安中市 鬼形輝雄)>⇒高野輝彦専:
鬼形君の歌がまた歌壇に選ばれていた。鬼形君はたぶん、常連の投稿者の一人なんだろうな?3カ月に一度くらいは選ばれている。高校1年で同じクラスだった。同級生だが友人にはなれなかった。東洋大学を出てから、高校の国語の教師をやってきたようだ。数年前に、朝日歌壇の入選作読んで驚いた記憶がある。こんどの歌は、大江健三郎のことを詠んでいる。今週は、大江さんの逝去のことを詠んだかたが多かった。それっと、常連の方の入選歌がいつもよりも多かった。
<楽しみは四年生のきゅう食のパンが大きくなるらしいこと(奈良市 山添聡介)>
<ごほうびがプリンだなんて母の中の私はいったい何歳のまま(富山市 松田梨子)>
<水を飲む二匹の猫の柔らかき舌音聞こゆる春のあかつき(観音寺市 篠原俊則)>⇒馬場あき子選:
馬場さん、常連歌人の三人を選んでいた。山添君(小学三年生かな)、松田さん(大学生だっけ)、この常連の歌人は本当に上手い。篠原さんは、世相を詠む時と、身辺を詠むのと詠み分けている。
<姉と並びパックしながら話してる恋のこと親が年をとること(富山市 松田和子)>⇒佐佐木幸綱、高野公彦共選:
松田さん姉妹、梨子さんはお姉さん(社会人)、わこさんは大学生かな?二人とも歌人なんだ。
難解でなげだし棚に四十年「ピンチランナー調書」を開く(北九州 嶋津裕子)>⇒永田和宏選:
大江さんの『ピンチランナー調書』は、私も書棚にしまったままだ。
次に、俳壇を読む。
<花待たず我が青春の大江逝く(武蔵野市 相坂康)>⇒長谷川櫂、大串章選:
大江健三郎さんを詠んだ、短歌も俳句も多かった。
大江さん有名だけど、みんな余り読んでないのではにかな?ひとのこと言えないけれど。
俳壇と歌壇の間のコラム「うたをよむ鎌倉」に、天野小石(「天為」編集長・俳人)が高浜虚子のことを紹介して鎌倉に触れていた。虚子は、最晩に鎌倉に住んでいたんだという。
以下は、二つとも虚子の句だ。
<老梅の穢き迄に花多し> 「最後の凄味とでもいう生命力が感じられる」と解説。
<鎌倉の古き土より牡丹の芽> 「鎌倉の春を最も壮大に詠んだ名句であろう」と今年としている。