二週間も避暑の山行きで新聞を休んだので、恒例の歌壇俳壇を読めなかつた。俳句も短歌も世相と心を切り取ると再確認した。
俺の庭俺のひまわり俺なごむ 大阪市 後藤憲之
まるで、おれ俺詐欺みたいだが面白い。俳句はこんなに自由でいいのかと驚く。高山れおな、小林貴子選だ。
ただそつとしておく妻の昼寝かな 朝倉市 深町明
なつだつて草臥れてるさ秋を待つ 東京都 三輪 憲
うえの二句は長谷川櫂さん選。
敗戦忌稀有な平和に生まれ生き 武蔵野市 相坂 康 大串章 選。
戦後生まれのわたしもよくわかる。
次に、歌壇に移る。
民主主義守る国葬 国会の議論も経ずに決定をする 観音寺市 篠原俊則 高野公彦選
篠原さん 今週も三首が選ばれている。上のは世相歌だが、詰まらん。
缶ピース長髪下駄履き思草寮まだ何者でもなかった私 観音寺市 篠原俊則 永田和宏選
マリトッツォ作る手立ても銃作る手立ても検索できる 便利さ 観音寺市 篠原俊則 馬場あき子選
篠原さんは、今週は上の三首が選ばれている。篠原さんの三首のうち、永田さんが選んだ歌は、個人詠だ。最初と三つ目は、世相歌だ。実に巧みに詠んでいるが、中身はない。
青春を懐かしむなよいまここが自分の生の頂きぞ、よしっ 和泉市 長尾幹也 佐佐木幸綱選。
長尾さんは、病を抱えて生きているかただ。常連の当選者だ。
富山市の松田梨子さん、今週も選ばれていた。
投げっぷり倒しっぷりがすごくって母じゃない母を知るボウリング 馬場あき子、佐佐木幸綱共選。松田梨子さんは、すごい歌人だ。
ふうん、そうか とか なるほどね とか受けとめてくれたらそれでいいんだよ 大阪府 芹澤由美 永田和宏選。
芹澤さんは、俵万智さん風に詠んでいる。
歌壇で、以下の歌が選ばれてしまう時代の不幸を感ずる。
マイク持つ安部総理に写り込む犯罪者となる前のその顔 一宮市 園部洋子 高野公彦、永田和宏共選。
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