TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

 借りる本『戦争と平和(トルストイ)』と返す本『大江健三郎論(井上隆史)』のこと

 先日のSS先生のメールで「戦争と平和」(トルストイ)の中のアンドレイが死ぬ間際に見た景色のことなどにも触れもらえてたらとの示唆をいただ。長編「戦争と平和」は確かに読んだ記憶ある。河出書房のグリーン版世界文学全集を保持していると思っていた。探したら「戦争と平和2」ができた。2巻本かと思っていたら三巻本であった。したがって「戦争と平和2」は途中なのだ。たしかに何処かにあるはずだ。見つからない。アンドレイがナポレオン戦争で戦死する場面は何処だったろうと、探してみた。第三巻2編36がアンドレイの死んでいく場面である。以下に引用するところに鉛筆で下線が引いてあった。たしかに私が読んでいたのであろう。

 アンドレイ侯爵は、話手をとりまく人たちと同じようにかがやく目でその男をみつめて、なんとなく心なぐさむ思いをした。〈だが、今はもう何もかも同じことだ〉と彼は考えた。〈いったい、あの世には何があるのだろう?どうしておれには、生に別れるのがあんないつらかったんだろう?きっとこの生には、おれの理解しなかったもの、今も理解しないものがあるにちがいないのだ〉

 アンドレイのしにいたる光景はこの部分なのだろう。ここしか読んでも「しかたがないだろう。そこで稲城図書館に新潮社版の「戦争と平和1~4」をリクエストした。「戦争と平和」を読むのにこの夏を使おうと決めた。

 次に返す本だ。『大江健三郎論(井上隆史)』の返却期限は調べたら本日だった。明日一日遅れで返却する。既にリクエストが入っているので延長ができない。第1~5章まで読んだことを記録しておこう。

 第5章「三島の死」のところにこういう件があった。

<そして、大江は、1909年、ロシアからの帰国途上、ロンドン発の船上で死去し、シンガポールで火葬されたある日本人作家の墓を訪れます。その時、大江の口から発せられたのは大江自身が予期していなかった「祈りの言葉」でした。>

 ロンドンからの船上で亡くなった作家といえば、二葉亭四迷ではなかったか。このことを私は小島信夫さんの本で読んで知っていた。二葉亭四迷が日本の近代文学の祖であると書いていたのは高橋源一郎さんの日本文学史だったろうか?

<二葉亭よ、わたくしを救けてください・・・・

 その墓は言うまでもなく、大江が志を継ごうとしていた二葉亭四迷のものでした。このエピソードは、三島の死に大江がただならぬショックを受けたことを物語っています。大江は、民主主義の立場から沖縄における「集団自決」の責任者を断罪することで、心理的安定を得ようとしていたところでした。ところが、三島の自決はそんな試みのすべてを足蹴にするものです。・・・・>

 ここまで読んでメモ書きしたところでこの本を一度返却する。そして「沖縄ノート」も読んでから後であとで読もうと思う。

 最後に今日の気になる本を書いておく。

(1)『僕は、死なない(刀根 健)』を読んでいるが面白い。

(2)『中村天風の教えがマンガで3時間でマスターできる本』(合田周平、堀田孝之、明日香出版社、1760円)

(3)『言葉の常備薬』(呉智英、KKベストセラーズ

(4)『若き詩人への手紙』(リルケ、2200円、未知谷)
 これってリルケの古典的名著かな?安家達也訳である。出版社の未知谷に興味ある。