TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

「わたしたちに許された特別な時間の終わり」(岡田利規)を読み終えた

 この不思議な小説は、実は、『さよならニッポンーニッポンの小説2』(高橋源一郎さん)の本で読んで知ったのだった。高橋さんは、例によって「全文引用」という手段を用いていたので、この小説の半分くらいの、一番いいところ、肝心のところは既に読んでいたのだった。作者の岡田さんは、劇作家で、この小説はもともとは、脚本であったものを小説にして、初めて本に収録したんだという。この本には、『三月の5日間』と『私の場所の複数』と二つが入っている。このうち、『三月の5日間』が高橋さんが、「全文引用」していたものだ。話は、偶然に飲み屋(ライブハウスっていうんだろうか)であった、二人の若い男女が、渋谷のホテルで4泊五日でセックス三昧に過ごすというお話だ。ただ、それだけで二人はわかれて自分の部屋に戻っていくのだった。荒唐無稽といえば、それまでだが不思議なお話なんだった。内容は、75歳の爺さんが感心して読むようなものではないだろう。高橋さんがぞっこんほれ込んで書いていたので読んでしまった。岡田利規さんて、ほかにどんな劇をかいたりしているんだろうか?記憶と記録のために今日のブログに紹介した。

 (追加)
 「わたしたちに許された特別な時間の終わり」に収載されている二つ目の作品『わたしの場所の複数』を途中まで読んだ。この作者の作品の文体は極めて特徴がある。主人公は、若い二十台の終わりくらいの結婚している女性である。夫も彼女もバイト生活で暮らしている二人とも正社員ではない。夫のほうは複数の調理師のバイトをしている。こういう小説はなにを意図してかいているんだろう。途中までで、時間切れで図書館に返却する。そこで、作者の岡田利規さんを調べたら、まだ49歳くらいの若手で演劇作家から小説(この本)も書いている。『わたしの場所の複数』は、第2回大江健三郎賞もとっている。も一つのほうは、三島由紀夫賞の候補にもなっているらしい。