幻冬から石原慎太郎が書下ろしで「「老いてこそ生き甲斐」を出した。3月29日(金)に大きな新聞広告が出ていた。また幻冬舎だ。この出版社は本の売り方と作り方が実に上手い。先日紹介した「藤原書店」の作り方及び売り方と真逆な商法だ。共にそれなりの理由の付く閃絡である。いずれにせよ読んでみたい。政治家としての石原慎太郎は嫌いなのだが、小説家としての石原慎太郎はやはり上手い書き手だと思う。俺という一人称で書いた「田中角栄」の自伝的小説も面白く読んだ。
さて、件の「老いてこそ生き甲斐」は広告のキャッチコピーは以下のようだ。
「死」という最後の未来と向き合い、身に染みた「老い」の神髄ーー老いなければ見られないもの、極められないものが確かにある。
親しい誰かの訃報で感じる高揚感は残酷なものかもしれないが、自分はまだ生きているという密かな生き甲斐をもたらしてくれる。(第2章「親しい人間の死」より)
老いるということは経験の蓄積。それはなまじな貯金よりも貴いし、他の人々に分かち役立てることが出来る。(第7章「人生の配当」より)
キャッチコピーの締めは「死の淵に立って確信した人生の意味」とある。
この本を買って読みたいが、幻冬舎は商売がうまいので新刊ではなくて、古本で買って読んでみたい。