私はウイルスが好きだというよりウイルスに興味を持っている。今日の朝日新聞に、福岡伸一さんの「動的平衡」が大きな紙面になった。今日(2020年4月3日)のテーマは「ウイルスという存在」だ。ウイルスについてはやはり福岡さんの説明が面白い。以下に無断引用しながら記憶と記録としたい。
ウイルスとは電子顕微鏡でしか見ることのできない極小の粒子であり、生物と無生物のあいだに漂う奇妙な存在だ。生命を「自己複製を唯一無二の目的とするシステムである」と利己的遺伝子論的に定義すれば、自らのコピーを増やし続けるウイルスは、とりもなおさず生命体と呼べるだろう。・・・・生命を、絶えず自らを壊しつつ、常に作り替えて、あやうい一回性のバランスの上にたつ動的なシステムである、と定義する見方、―つまり、動的平衡の生命観に立てば、-、代謝も呼吸も自己破壊もないウイルスは生物と呼べないことになる。・・・」
福岡さんのウイルスについての説明は、「(ウイルスとは)生命の進化に不可避的な一部」となっている。
「・・・ウイルスは私たちの生命に不可避的な一部であるがゆえに、それを根絶したり撲滅したりすることはできない。私たちはこれまでも、これからもウイルスを受け入れ、ともに動的平衡を生きていくしかない。」
福岡さんの説明の大半は端折ってしまったが、福岡さんはウイルスを撲滅できるというのではなく、「これからもウイルスを受け入れ・・・」と述べている。そういえば、エイズウイルスも、ヘルペスウイルスも、あらゆるウイルスは撲滅するのではなくて共存しているのである。免疫とは「疫を免れる」という意味であるから、やっつけるというのではなく、やっつけられないで生きていく方法を見つけることである。恐らく新型コロナウイルスとも私たちは共存するしかないのであろう。
■新型コロナウイルスの状況■
東京都内で4月2日に確認された新型コロナウイルスの感染者は一日当たり最多の97人に上った。この97人には重症者はいなくて、感染経路が不明の方が33人いた。年齢別では、40代が20人で最も多く。20台が19人、30台が15人、10歳未満が2人だ。感染者に若い人が多い。都内の感染者の総数は、684人となり、全国の感染者数も3日連続で200人以上増えて、総数は3489人となった。死亡者数は83人になった。
神奈川県内では、4月2日に新たな感染者が23人発表された。新たな感染者のうちで、横浜市の20代女性は市立市民病院の研修医で患者7人と指導医4人、修医45名が濃厚接触者として健康観察を行うという。川崎市の50代女性は、聖マリアンナ医大の医療事務職員であり、31日に感染が確認された看護師と同じ病棟で働いていた。このような状況をみると、医療現場が同時に感染のばーさん場になるという難しい状況を示している。
病気持ちの私の次回の東京大学病院受診が4月22日(水)に予定されている。ともあれ、正しく恐れて、ウイルスと共存していていくしかない。既に私は長いあいだC型肝炎ウイルスと共存してきた・・・。