TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

『新型コロナ7つの謎―最新免疫学からわかった病原体の正体』 宮坂昌之著の書評を書いた

『新型コロナ7つの謎―最新免疫学からわかった病原体の正体』の広告を読んで、珍しく新刊を楽天ブックスで取り寄せてよんだ。面白く有益な情報が得られたので、書評を書いた。それを、今年の3月2日に、医療ジャーナリスト協会の機関誌に投稿した。残念ながら、不採用の連絡を頂いた。ところが、先日、突然、8月号の誌面に空きが出たので、掲載したいと言ってきた。当時は、日本の新型コロナウイルスワクチン接種も開始されていなかった。以降、4カ月近くが経過したが、新型コロナウイルス感染拡大は今も続いている。さらに新たな変異株(デルタ株)も出てきて、状況は改善はされていない。それなのに東京オリンッピク開始が近ついている。
 以下、私の「書評」を再掲しておきたい。

<宮坂昌之さんの新型コロナウイルスに関する本を読んでワクチン接種に備えた。国内でも2月17日から医療従事者向けの先行ワクチン接種が始まり、現在では高齢者への接種もかなり進んできた。早く集団免疫の獲得が得られることを期待したいが、今もなお変異株の影響が続く。感染者の増加がさらに続けば、再び緊急事態宣言の発出もありうる。ワクチンを接種してからも変異株を怖れ、不安に慄えながら蟄居して過ごさなければならないのだろうか?「新型コロナウイルスに関して、『正しく理解する』ことが必要で、そうすれば『むやみにこわがることはないはず』と宮坂さんは強調する。“敵を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず”と孫子は言うが、ウイルスはそもそも敵ではなく仲間のようだ。「ウイルスは本来、わたしたちを含む大きな生命圏の一部で、完全に撲滅したり、排除したりすることはできない」と、捉えるのは分子生物学者の福岡伸一さんだ。この見地に立てば、ウイルスを正しく理解して素直に畏れ、やがて「動的平衡」を得て共存していくのが本筋であろう。宮坂さんの本は、新型コロナウイルスを正しく畏れ対応していくために有益な情報を提供してくれる必読書の一つと思う。>

 『新型コロナ7つの謎―最新免疫学からわかった病原体の正体』

宮坂昌之著 講談社 (本体1,000円+税)