TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

出版は志の業〜 石井昭男さん(「明石書店」創業者)の訃報に触れて思うこと

 石井昭男さん(「明石書店」創業者)が2022年12月30日に新型コロナウイルス感染症で逝去(82歳)という訃報記事が、朝日新聞朝刊(2023年1月13日)に載っていた。

 石井さんと直接の面識がなかった。明石書店社屋は湯島にあった。もしかしたら本郷か湯島あたりの居酒カウンターで近くに坐って一緒に飲んでいたかもしれない。
 明石書店はユニークな本をだす出版社だった。その時から15年くらい後に長女のNTが契約社員として暫く明石書店で働いていたことがあった。応募時に彼女が書いた履歴書に手をいれたりした。私の勤務先の本郷から近いので面接の日に本郷で待ち合わせて湯島まで随行していった。明石書店では営業の仕事をしており新刊がでると「見本」を東販へ納めに歩いていったと話していた。

 石井昭男さんは1978年に明石書店を創業して2015年まで社長だった。2007年に福村出版を買収して2016年までこちらも社長もしていた。「人権や差別に関する出版活動」の功績で2008年にマグサイサイ賞を受けた。「マグサイサイ賞」はフィリピン大統領ラモン・マグサイサイを記念して創設されたものだ。毎年、マニラ市のラモン・マグサイサイ賞財団によりアジア地域で社会貢献などに傑出した功績を果たした個人や団体に対して贈られる。アジアのノーベル賞とも呼ばれる権威ある賞なんだという。
 出版は志の業(なりわい)だと思う。石井さんの仕事に敬意を表したい。藤原書店という出版社も石牟礼さんの本など興味深い本を多く出している。最近、「水声社」というフランス語系の本を多く出している出版社の広告をよく目にする。まぼろしユダヤ教民族「ハザール」についての本を恩師Sさんが水声社から近刊の予定と聞いた。小振りで志の高い出版社の活動に期待したい。