TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

作家の加賀乙彦さんが亡くなった(93歳、老衰)に触れて

 作家の加賀乙彦さんが亡くなったことが、朝日新聞(2023年1月19日)朝刊に出ていた。93歳で、1月12日に逝去された。老衰とのことだ。加賀さんは、本名は小木貞孝で精神科医だ。『頭医者』という、東大の精神医学教室(赤レンガ)をモデルとした小説を書いていた。萬年甫さんが、小説に出てきたりしていて面白く読んだ。本郷一丁目の弓町にある本郷ハウスという高層マンション(50年前に出来たので先駆的な建物だ)に住んでいるらしかった。昭和47年に私が働いていたのが弓町教会の近くのビルにあったので、興味深く感じていた。このマンションには、テレビで有名な評論家の田原総一朗さんも住んでいるらしかった。本郷は後楽園へ徒歩で10分くらいなので、加賀さんの小説に「後楽園スケートリンク」が出てきたので興味深かった。最近、岳真也さんが、心の病をもった息子さんを亡くされた実体験を小説にされた。岳さんは、加賀さんと深い交流があったようだ。私は随分前に加賀さんの「帰らざる夏』を読んで感銘を受けた記憶がある。この小説は、加賀さんが思春期から大人になっていく青春小説ではなかったろうか?
 さて、記憶と記録のために新聞の訃報記事から引用しておきたい。

<「宣告」「永遠の都」などの長編小説や、刑事司法や医療をめぐる社会的発言で知られる作家・精神科医文化功労者加賀乙彦(本名小木貞孝)さんが、12日、老衰のため死去した。93歳だった。>

 1929年東京生まれ。東京拘置所医務技官をへて、1964年、同人誌「犀」に参加し、創作活動を開始。長編「フランドルの冬」で1968年、芸術選奨文部大臣新人賞を受賞。1973年「かえらざる夏」で谷崎潤一郎賞。死刑囚の犯罪から死刑までの心理を追った「宣告」で1979年に日本文学大賞。朝日新聞に連載した「湿原」で1986年の大佛次郎賞。2000年に日本芸術院下院になった。2012年には、日本の歩みと家族史を重ねた大河小説「永遠の都」「雲の都」シリーズを約四半世紀がかりで完成させ、毎日出版文化賞をを受けた。社会的な活動にも積極的だった。警察署の留置場を拘置所代わりに使う「代用監獄」は国際人権法に反するとして、廃止を求める運動の先頭にたった。オウム真理教松本智津夫元死刑囚の裁判では、本人と接見して意見書を書いた。裁判を打ち切った裁判所に対しては、のちに「使命を放棄した」と批判した。2021年から作品社で全18巻になる全集を刊行していた。>

 加賀乙彦さんは、膨大な著作を残した。私はほんの少しを読んだ。