『こんなとき私はどうしてきたか』を先に読むので中断しのだが、読み終えたので戻ってきた。そしたらこの「エッセイ集」は思い出の記なのだとわかった。
中井さんは1934年奈良県生まれ。私より13歳年長と知った。2022年8月8日に88歳で肺炎のために亡くなった。精神科医の斎藤環さん(筑波大学教授・精神科医)が「ケアの時代を予見したひと」という追悼文を毎日新聞に書いていた。この追悼文を探して読んでみたい。
さて、『家族の深淵』はいろいろな媒体に書いてきたエッセイを集めたものだ。今日は以下のところを読んだ。
▶学園紛争とは何であったのか
「学園紛争は何であったのか」ということは精神科医の間でひそかに論じられつづけてきた。
(興味深い件を以下に引いておく。)
<・・・・二回の大戦によってもっともひどく損傷されたのは、「父」である。であるとすれば、その子である「紛争世代」は「父なき世代」である。・・・・>
▶「マルクス感覚」の重要さ
自己の存在を揺るがす重大事件を知った時には、その時に何をしていたかが細部まで鮮明な静止画像として視覚的に記憶される。
(阪神淡路大震災は、1995年、平成7年、1月18日、午前5時46分に発生した。震源地は淡路島北部で、マグニチュード7.3の大地震だった。)
▶戦時中の阪神間小学生
昭和十五年に入学した小学生が還暦を迎える。
(そういうときに書いている、思い出の記だ。)
続く