伊豆高原荘泊二日目は下田の街を散策してきた。黒船に乗ってペルーが日本の開国を求めて下田にやってきたのはつい最近とも言える171年前に過ぎない。今回の旅は短いが私が求めてきたものだ。同伴者との時間を優先順位の一位におくことに決めたのだ。生きることは楽しいのだと再認識するために。
<物事成就の母体は強烈な願望である。あまり科学的とはいえない言葉ですから、これを単なる精神論として退けたがるひともあることでしよう。しかしおもいつづけ、考え抜いていると、実際に結末が「見えてくる」ということがおこるものです。>
上の文章は稲盛さんの本から引いた。もしかしたら私はいま、求めていた伴侶をえて、毎日本を読み、松本清張の「半生の記」に出会い読み、下田の町を歩く、幸せに浴している。今から65年前12歳の私は小学校六年生で畑の草むしりをしながら、画板を持って野道を散歩している可愛い少女の家族を見ていた。あんな子と知り合いになりたいなと思っていた。なんと素朴な穢れのないガキだったのだろう。稲盛さんの言うように思いは実現する。もしかしたら私は人格の陶冶を既に実現してきているのではないか?
中央区の伊豆高原荘で日経新聞「私の履歴書」に登山家で医師の今井通子さんが載っていた。今井さんがご主人となつた山男との出会いを語っていた。
<ゴリラのような男性があらわれた。筋骨隆々。太もも60センチという。>
この人が今井さんの夫でスポーツ用品店カモシカの経営者なんだろう。人と人の出会いは面白い。
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