朝日歌壇は四人の選者が各10の歌を選んで合計40の歌が掲載される。時おり興味深い作品が見つかる。今の「歌」は日常のこころの有り様。を詠むものが多いように思う。異なる選者が同じ歌を選んでいることがよくある。昨日(2月2日)の永田和宏さんが選んだ次の歌が面白かった。
病む妻の暴言に耐える日々なり病気が言わせる病気が言わせる
(さいたま市 石塚義夫)
手摺なき石段は怖しと怒り言う妻に落ち度のあるごとく言う
(和泉市 長尾幹也)
「二、三種首目、病人の昂ぶりやすい神経は家族にはつらいもの。」と選者の永田さの「評」である。作者はたぶん私と同じくらいの70歳前後のお爺さんと思われる。何気なく日常を詠んでいる。これがなかなか詠めないのだな。作者は歌を詠むことで自らを救済しているのであろう。歌詠みとはそういうひとなのだと思う。
どうしたら、歌を詠めるようになるのだろうか?