TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

突き抜けた女たちの肖像!

 佐藤愛子さんの「九十歳 何がめでたい」(小学館)を読んでいる。これは2015年~2016年にかけて雑誌女性セブンに連載したエッセーを単行本にまとめたものだ。2016年に本がでたときに新聞広告で知っていた。佐藤愛子さんといえば、佐藤紅緑の娘でサトウハチローの妹である。「戦い済んで日が暮れて」で直木賞を受賞した。これも多分読んだことがある。その他はあまり知らない。

 本日のテーマは「突き抜けた女の肖像」だ。私の目に浮かぶ突き抜けた女は「宇野千代」「瀬戸内寂聴」となり佐藤愛子もその系譜に入る。何れも女性の作家なのだが、古く紫式部清少納言も突き抜けた女だと思う。瀬戸内寂聴さんは自分の子どもを捨てて若い男に走っている。走り込まれた男が小物で恐くなって逃げてしまう。宇野千代さんといえば、画家や作家やいろいろな男と関係して結婚している。どうしてものを書く女になったのかも不思議なほど、行動が一際突き抜けている。女性は産む性なので産むこと自体が「突き抜ける」手段になるのかもしれない。恋や愛などあるが、「産むと生きる上で突き抜けて」のだと思う。そこのところが男の性と違うのかもしれない。男の性は排泄のようなもので自らは産まないので突き抜けられない、それは繰り返しなのかもしれない、と思う。
 さて、本日(2020年4月9日)の朝日新聞における随時連載「寂聴 残された日々」を読んだ。「58回 コロナ禍のさなか」というエッセーである。

「徳島に女性の市長が選挙で選ばれたという。36歳の内藤佐和子さんは、全国歴代女性史上で最年少、徳島市で初の女性市長である。」
 内藤さんは東大の法学部時代に難病に見舞われ、曲折を経て政治を志したということだ。これも難病と言う体験が突き抜けるきっかけとなったのだ。瀬戸内さんはこう言う。
 「はっきり言うが徳島は断然男性より女性が優秀である。それは、徳島の男性が悪びれず、揃って自分の妻をほめるのを見てもわかろう。・・・・その名を全国に輝かせた阿波女に武原はんがいる。そして私がいて、柴門ふみさんがいる。内藤佐和子さんは前むきで明るい、きっとすばらしい女性政治家になってくれるだろう。万歳!」

 女も男も、突き抜けなと始まらない。瀬戸内さんのエッセイ―も実はつまらぬものなんだが、書き手が突き抜けた一角のものだと知っているので、私をはじめつい感心して読んでしまう。