TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

「新型コロナ パリに差した光り」(寄稿 作家 辻 仁成)を読んで思うこと

 「人類から愛奪う悪魔 外出制限解けても 試練と回復の道 長く」という大きな見出しの記事が朝日新聞(2020年4月22日)朝刊に載っていたので読んだ。

 4月7日に「緊急事態宣言」が出てから2週間が過ぎた。日本全国で患者は増大しており、21日午後10時現在で、390人増えて累計で1万1543人となった。4月初めから不要不急の害外出を控えている。4月13日に必須の用事があり都内に午前中の4時間出かけた。そのほか二つの通院予約は幸いに薬の余裕があったので1ケ月余り先送りした。3月末から唯一の気分転換と体調管理手段であった合気道の稽古も中止となった。こんな中で雨が降らない限り近隣の里山への散策を励行している。散歩していると目にみえて若い世代、親子連れの数が増えてきた。走っている若者の姿も見られる。自宅待機、ありはテレワークとなり体調管理のためにジョギングをしているのだ。行きかう人も無言ですれ違っていく場合がほとんだ。ほんらいであれば、里山散歩ではすれ違う折には互いに挨拶を交わすのが礼儀であった。しかし、いまでは余分な接触を避けるために,みんな静かに無言ですれ違っていく。人と人との交わりが出来なくなっているのだ。

 こんな折に読んだ辻さんの寄稿「パリに差した光り」は現在の状況にいかに対処していったらよいかを指し示していた。辻さんの本は実はあまり読んだことはない。奥さんの中山美穂と別れいまは一人息子とパリで暮らしていることしか知らない。辻さんは書いている。
 「実は、新型コロナウイルスの脅威は感染力の強さや致死率の高さだけではない。このウイルスには人間を分断させる恐ろしい副作用がある。人と人とを引き離す、人と人の関係を断ち切るもう一つの破壊力も忘れてはならない。このウイルスの登場で、人々は社会的距離を強いられ、握手もハグも出来なくなった。全人類の半数にあたる人々が封鎖措置の中に置かれ、移動の制限や人との接触を禁じられている。」
 上に引いたように現状をまとめてもらうとよくわかる。時折遊びに来る孫の手を握り一緒に買い物にいくのがどんんなに私に安らぎをもたらしてくれていたか良くわかる。実は2カ月にいちどの通院でかつての職場に近い東京・本郷にいき街を歩くのも至福の幸せでああったのだ。
 「致死率の高さも恐ろしいがそれよりももっと怖いのが、これまでの価値観や人間の結びつきを引き裂くこのウイルスの真の毒性だ。」

 新型」コロナウイルスにより惹起された状況に私たちはどう対処して乗り越えていったらよいのだろうか? 辻さんの場合は、「新たな価値観へ 息子と火星に向かう」と対処の現状を紹介している。
 「幸いなことに、我が家に関して言えば、崩壊ではなく、その逆の効果が生まれつつある。・・・・・・ロックダウン直後、ぼくが一番心配したのは子供が希望を放棄することであった。しかし、それは杞憂に終わりそうだ。外出制限下の」パリでぼくと息子は毎日一緒に料理をし、健康維持のためにジョギングを欠かさない。・・・」

 辻さんは、ロックダウン下のパリでの息子さんと二人の日常を紹介して次のように述べている。<日常を奪われたぼくらがロックダウン下で一番守らなければならないことは「生活を失わない」ことだ。百年に一度のパンデミックと人類は遭遇してしまった。自分たちが生き残るためにぼくらは支え合い、強い連帯感を持ち、生き抜こうと約束しあった。>

 そうだ、私たちは希望を失ってはならない。「生活を失わないことだ」と言われるとるほどと思う。既に退職して毎日が日曜日のG爺の生活は、実際は「食う」「歩く」「寝る」しかないのだ、辻さんの寄稿をよんで多くの人たちが方向を見出せるのではないかと思う。記録と自らの記憶のために、多くの引用をした。