TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

「STAP細胞」ってなんだったんだろう!

 「刺激惹起性多能性獲得細胞(STAP細胞)」発見のニュースが飛び込んできたとき、生物学に素人の私ですら衝撃と共に「外的刺激だけで分化する能力が得られるなんて?」と不思議に思った。STAP細胞の一連の報道は2014年のことだ。まだ5年くらいしか経っていない。この少し前2006年に発見された「iPS細胞」の方は研究が着実に進められている。
 折しも折。昨日、稲城図書館で『あの日小保方晴子』(講談社)という本を返却棚で見つけた。借りてきて読み始めた。

 この機会に既に私の記憶が薄れかけてきたSTAP細胞について、記憶と記録のためにここで紹介しておくことにした。

 ■刺激惹起性多能性獲得細胞(STAP細胞)とは何か■ 
 STAP細胞(刺激惹起性多能性獲得細胞)は、動物の分化した細胞に弱酸性溶液に浸すなどの外的刺激を与えて再び分化する能力を獲得させたとして発表された細胞である。この細胞をもたらす現象を、刺激惹起性多能性獲得(Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency)という。この現象の英語名から、論文内での略称や一般の呼称としてはSTAP細胞と呼ばれる。この呼称も研究開発に携わった理化学研究所のチームが名付けたものらしい。同様に、現象についてはSTAP現象、STAP細胞に増殖能を持たせたものをSTAP幹細胞、胎盤形成に寄与できるものはFI幹細胞と呼ばれる。

 <2014年1月に、小保方晴子笹井芳樹(共に理化学研究所)らが、チャールズ・バカンティ(ハーバード・メディカル・スクール)や若山照彦山梨大学)と共同で発見したとされ、論文に2本をネイチャー(2014年1月30日付)に発表した。しかし、論文発表直後から様々な疑義や不正が指摘され、2014年7月2日に著者らがネイチャーの2本の論文を撤回した。その後も、検証実験を続けていた理化学研究所は、2014年12月19日に、「STAP現象の確認に至らなかった」と奉告して、実験の打ち切りを発表した。同年12月25日に、「研究論文に関する調査委員会」によって提出された調査報告書は、STAP細胞・STAP幹細胞・FI幹細胞とされるサンプルは全てES細胞の混入によって説明できると、STAP論文はほぼい全て否定されたと結論ずけられた。>

(以上の纏めは、主にウキペディアを参考にした。)

 それにしても、ネイチャーは何故どうして、このような疑惑を招く結果となった論文を採択して掲載してしまったのだろう。論文採択には厳密な査読がなされたはずだ。撤回となったとはいえ、一旦、掲載したネイチャーの責任は重いものだ。今回、インターネットでSTAP細胞で検索すると、2014年12月19日の「STAP細胞の検証実験」に関する報告記者会見の模様を「YuTube」で聞くことができた。理化学研究所の責任者である相沢慎一さんの絞り出すような説明を聞くのは辛いことだった。1980年代に、ま新しい「理化学研究所・筑波研究―センター」を取材で訪問して、まだ30代そこそこの相沢さんにお目にかかったことがるので余計にそう感じた。この記者会見の折に、一旦、退席された相沢さんは直ぐに記者会見場に戻り、一個人として「STAP細胞の誤りの責任を小保方研究員ひとりに負わせた印象を与えてしまったことをお詫びする」との発言をされたとの記事がでていた。こんな一場面もあったのだ。一連の「検証実験」に至る前に、共同研究者の笹井芳樹さんは、8月5日に自裁をする形で世を去られていた。

 『あの日小保方晴子』は、まだ、「第3章 スフェア細胞」までしか読んでいない。このあ、論文作成とネーチャーへの論文掲載、そして論文撤回、「仕組まれたES細胞混入ストーリー」等へと続き、「閉ざされた研究者の道」で結ばれている。これは、当事者小保方晴子さんからの「物語」だから、それはそれで一方的なものになるのだろう。ともあれ、この本を書きながら小保方さんは「生きる道」を模索していたのだろう。読後の感想はかけたら書きたい。