TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

「認知症フレンドリープロジェクト」ってなんだ

 「認知症」はつい10数年前までは、「痴呆」と言われていた。厚生労働省の検討会が、「痴呆」に代わる用語として、「認知症」を使用するように協力依頼を出したのは、平成16年12月24日のことだった。「痴呆」の「痴」の字は、「知」にやまいだれがついたものなので、よくないイメージを与えるので避けたと考えられたらしい。「呆」の字も「あほう」の「ほう」でイメージは良くない。さりとて、「認知症」というのも曖昧な用語で、実際妙なネイミングではある。
 かつては、「老人の呆け」は普通のことだった。私が小さかった70年ほど前は、平均寿命が多分60歳くらいで、多くは60歳前に亡くなっていたのだろう。「平均寿命」には幼児死亡も含まれるので老人の全てが早死にするわけではない。昔でも80~90歳まで生きた人はいたが数が少なかった。田舎の家の縁側には「呆けてしまった老婆(爺さんは早く亡くなってしまい少なかった)が何もせずにボーっとして日向ぼっこをしていた情景はよく見かけたものだった。
 さて、今から40年前に医学医療の記者をしていた私が、日本老年学会、日本老年医学会、日本老年社会科学会、日本成人病学会(いまの生活習慣病学会)等に取材に行くと、「高齢化社会を前にして老人の呆けの臨床にいかに対処するか」というようなテーマが熱く語られていた。40年前に危惧されていた高齢化社会の渦中に今はある。「認知症研究」の先駆者で第一人者の長谷川和夫さん(聖マリアンナ医大名誉教授)が。自ら「認知症」になったことを公開したのは一昨年のことだった。長谷川さんは、「自らが認知症になって、認知症が漸くわかってきた。認知症というものは連続したものだ・・・」と言っている。「認知症」になったから別人格になるのではなくて、かつての自分と連続してある部分が「わからなくなる」ということだと思う。これまでも、「まだら呆け」という言葉があった。ある部分は今まで通りである部分が分からなくなる、ということなのだろう。

 ■認知症フレンドリープロジェクトとは
 朝日新聞社は、2019年の創刊140周年事業として、「認知症フレンドリープロジェクト」を始めたそうだ。2021年1月25日の記事で知ったので、概要をまとめておきたい。2019年4月から、「認知症フレンドリー講座」というのを始めたのだという。この講座では、専門家の解説動画を交えながら、講師が認知症の基礎知識を教える。「認知症になると何もできなくなるとおまわれがち」であるが、そうではなくあて、「必要なことだけを手助けし、本人が自立して生活するためのサポートを」と訴える声を紹介し、周囲がどう寄り添ったらいいかなど考えるきっかけを得させるのだという。

 ■在宅ひとり死のススメ■
 医師の日野原重明さんは、105歳でなくなるまで直前までお元気でおられたようだ。私が日野原さんに初めてお目にかかったのは今から40年前だった。日野原さんは63歳くらいで私は34歳だった。日野原さんは、その頃から朝食はビスケットと蜂蜜を入れた紅茶くらいで、昼食も軽食で、夕食のみが高カロリーの食事をしておられた。多分、お酒は嗜まなかったと思う。つまり、健康の秘訣は「節酒と小食」であった。やはり、2年くらい前に亡くなった小脳研究の泰斗・伊藤正男さん(東大名誉教授・生理学)の死因は「老衰」と新聞にでていた。私が知己を得ていた80歳台の頃の伊藤さんも頭脳明晰であった。つまり、お二人ともに死の直前まで専門の学問から離れず、暴飲暴食は一切しなかったのだと思う。長生きしたければ、学びあまり食べてはいけないに尽きる。
 さて、上野千鶴子さんが「在宅ひとり死のススメ」という本を出した。これが理想的な死でなくてなんであろう。そのうち読んでみたい。上野さんの、「悩みの坩堝」という朝日新聞の相談欄での回答が面白くて好きだ。さて、読まないうちに、本の広告から内容を推測する読書の楽しみでもある。「慣れ親しんだ自宅で自分らしく幸せな最期を迎える方法」が書いてあるらしい。前著『おひとりさまの老後 の著者が提案する新しい死に方=新しい生き方、が書いてあるらしい。
<●「老後の幸せ度」は「おひとりさm」が最も高く、最低は「おふたりさま」世帯、●「在宅ひとり暮らし」認知症でも大丈夫!,●介護保険をどう活用すべきか、●安楽死尊厳死は正義か?、●家で死ぬために必要な費用はずばりいくら?>
 こんな役に立つことが書いてあるのなら「文春新書」(800円)は買っても読みたい。「在宅ひとり暮らし」認知症でも大丈夫! 本当に大丈夫だろうか? そのためには、やはり「小食」「節酒」「適度な運動」につきるのかな。「ウェノももうすぐ後期高齢者!」だなんて、私と同世代だ。この本で老後資金をまかなうのかな?