TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

『今夜はひとりぼっちかい?』(高橋源一郎さん)を読み終えた

 先日から3冊の本を同時に読んでいる。 『病を引き受けられない人々のケア』(石井 均)では、門脇 孝さん(元東大教授・糖尿病代謝内科)と石井さんの対談までよんだ。この対談は、2010年5月29日に神戸で収録した。そして、その対談に編集者として私が収録した。いま読んでも面白かった。もう一つ、『短歌の友人』(穂村弘さん)のほうは、「第5章 前衛短歌から現代短歌へ』まできた。
 牛乳のパックの口を開けたもう死んでもいいというくらい完璧に(中澤 糸)
 ボンカレーチンする前にご飯よそってしまったお釜にもどす(斉藤斎藤
 こういう歌が、前衛から脱出さいた前衛短歌なんだろうか? 私にはよくわからない。分かんないのだが、ちょっと新鮮なのかという気がする。穂村さんがこう読み解いている。
 <これは「零の遺産」ならぬマイナスからの歌作りではないか。その不毛さに驚きつつ、絶望に希望を直に上書きするような作歌スタイルが生み出す異様な緊張感に惹きつけられる。>
 さて、肝心の高橋さんの『日本文学盛衰史ー戦後文学篇』はの読後感というと、全く変なほんである。高橋さんは、とてもユニークでハチャメチャなひとかと思ったら正統的な人だと分かった。ただ、この本は,『日本文学盛衰史』と題しているが、それだけではない。時には、高橋さんの読書ノートであったり、またある時は、お子さんの送り迎えを含めた「家族の情景」がかいあてあったりする。だいいち、自分の子どもの「シンちゃん」「レンちゃん」の会話出てくるなんて聞いたことがない。
 <次に、わたしは、手塚治虫の『新宝島』の発表時期を調べてみた。昭和22年(1947年)だ。『新宝島』の発表後、五十年たって作られたのが、『もののけ姫』(1997年)。あるいは、日本初のフルカラー・アニメ『白蛇伝』を、最初のアニメとするならば、その発表が昭和三十三年(1958年)、その五十年後に発表されたのが⁽『崖の上のポニョ』となる。いや、『新宝島』の発表された昭和二十二年という年こそ石坂洋次郎の『青い山脈』と太宰治の『斜陽』の発表された年だからである。>
 この辺の流れまでは、高橋さんは日本文学の盛衰史に踏み込んでいる。石坂洋次郎の『青い山脈』は私も読んでみたことがある(と思う)。高橋さんは再読して、<これは、「戦後文学」そのものじゃないか、という思いに打ちのめされた>んだという。私も読み直してみたい。『青い山脈』には、チョット変人的な「富永」という登場人物もいる。それに。、発表された1947年は私の生まれた74年間のことである。
 この辺りまでが、「日本文学盛衰」のことが書いたる。その次の『タカハシさん「戦災」に遭う』というタイトルのあたりから、チョト書き方が違ってくる。その項目を「か空いている時には、作者の高橋さんは還暦になっている。私は64歳で、震災を経験したのだから、高橋さんより4歳しか年長でない。この辺りで、高橋さんは,ヤマダさんという小説家(つまり、山田風太郎さん)の、戦災日記から長い引用をしている。引用があまりに長いので、ともするとどこからが引用なのかわからなくなる。「こういうのありかよ」と思うくらいである。「エピローグ なんでも政治的にうけとればいいというわけではない」は、正直なところ訳がわからない。エピローグだけは、初出が雑誌「群像」の連載でなくて、単行本にするときに一緒にしたものだ。ともあれ、全部読んでみた。高橋源一郎さんは、五回も結婚しているので、まだ小学生くらいのお子さんがいるのである。私の孫と同じである。高橋さんはまだ働く、書くだろう。私も頑張って読むことにする。