TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

朝日歌壇と俳壇を読む

<二駅をさざめきたりし園児らの去りし車輛のほのかに温し(久留米市 塚本恭子)>⇒佐佐木幸綱選: 近くに保育園があり、ときどきお散歩中の列に出会う。暫くみとれてしまう。「さざめきたりし」という情景が目に浮かぶようだ。

<あるけないあるきたくないひもあれどわたしがわたしであるためにあるく(名古屋市  吉田周子)>→高野公彦選: 吉田さんのこの歌はすべてがひらがなである。一歩一歩あるくようすが浮かんでくる。

東山魁夷の愛した絵具たち呼吸するガラスケースの中で(富山市 松田わこ)>⇒高野公彦、馬場あき子共選: 松田わこさんの、今週の歌はチョットいつもと切り口が違う。やはり非凡な歌人なんだね。

<意味ありて病むとその意味探しいきまだまだ病浅かりし頃(和泉市 長尾幹也)>⇒長尾さんは永く病んでいる方のようだ。先週も入選していた。歌で自らを励まして生きているんだと思う。

<難民の少女がカメラ見つめており「so cold」と額に書いて(観音寺市 篠原俊則)>⇒馬場あき子選: 篠原さんは、世界の情勢を歌詠みのこころで見ているんだろう。世相歌の達人に思える。
<あこがれは土星のかたちなどをして中也の帽子賢治の帽子(新潟市 太田千鶴子)>⇒馬場あき子選: 中原中也のあのくろい幅広の帽子を被った写真は私も知っている。賢治の帽子姿もあったろうか? 

 今週の秀歌というか、一押しは、

あるけないあるきたくないひもあれどわたしがわたしであるためにあるく(名古屋市  吉田周子)

 にしたい。私も妻も、私であるために毎日歩いている。

 次に、朝日俳壇からお気に入りを探す。
<無位無冠悔い無き人生草の花(各務原市 林哲彦)⇒大串 章選: 庶民の人生は大抵は「無位無官冠」だろう。草の花とはなんだ?
<丈高く長き名を持つ秋の草(稲城市 日原正彦)>⇒この草の名は、「背高泡立ち草」だろうか?面白い句だね。

<かさこそと十一月も去りにけり(武蔵野市 西川元茂)>⇒長谷川櫂選: 「かさこそ」が面白い。