TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

朝日俳壇と歌壇を読んだ―自然詠が増えて嬉しい

<胴体の無き死骸あり油蝉(長野県立科市 村田実)>⇒長谷川櫂選:
⇒ こういう風景はたまに見かける。油蝉の生きる時間は地下で成長する時間に比べると一瞬らしい。真夏にひと時の鳴き声をあげて、そのあとは死んで虫に胴体を食べられて地面に転がって乾燥していたりする。この情景を読めるんだね。

<テスト後の雲一つない夏の空(武蔵野市 宮地莉央)>⇒長谷川櫂選:
 作者は中学三年生なんだって。この切り取り方は見事だね。

<夏痩せと言ひて病のこと言はず(近江八幡市 村野文一)>⇒小林貴子選:
 ⇒村野さんの俳句の気持ちはよくわかる。俳句で強く生きようとしている。

 さて、次に歌壇に移る。

<不安さえ商品として売り出せり「認知症保険」「孤独死保険」(観音寺市 篠原俊則)>⇒馬場あき子せん:
⇒篠原さん、こんな歌も作るんだ。「認知症保険」に入ってしまった私は、後悔している。認知症と認知され、介護度2以上が付かないと、保険がおりないらしい。考えてみれば、認知症になってお金400万貰ったって仕方がないね。失敗した。前のままなら、死亡保険金がで出て葬式費用になったのに。営業マンの語りに、ついその気になった。

<みんみんが夏の透き間を埋めてゆく入道雲に続く坂道(横浜市 岡本公純)>⇒佐佐木幸綱選:
 ⇒横浜にもこんな自然が残っているのかと嬉しい。みんみんゼミが、随分減っている気がする。

国葬の国費があれば幾人の孤児の食事が作れるだろう(観音寺市 篠原俊則)>⇒高野公彦選:
⇒篠原さん、この歌も入選したけれど、こうい歌は好まない。

<この窓をよぎる靴、靴今生にわが失いし足音すずし(和泉市 長尾幹也)>⇒永田和宏選:
 ⇒「長尾さん、靴音を響かせることもできなくなった作者。「今生にわが失いし」痛切。」と永田さんがコメント」している。長尾さん、それでも強く生きている。「歩ける」「合気道の稽古ができる」。私は幸せに感謝。

今週は、ウクライナの歌ではなくて自然詠も多かった。以下の、歌が好きだ。

 <ずっとここに居ていいんだよというような平日の昼ジュンク堂書店(東京都 金美里)>

 ⇒街の本屋が消えてしまって、殺伐とした世の中になった。