去年くらいに高橋源一郎さんという若い(といったって60代か?)作家を知って好んで読んできた。ポストモダンとかは何かしらないが読むと元気になるのである。
『さよならニッポンーニッポンの小説2』を偶然に稲城図書館の返却棚で見つけて借りて来た。多分、『ニッポンの小説1』は去年読んだと思う。借りる時に、目次をめくってみたら、1〜22章まである。その9のタイトルは「人間はチンポであり、まんこなんです」というのだった。これは読まなくてはと思い先に読んだ。ハッキリ言って訳がわからない。やはり本は初めから読むことにした。
ところで、一昨日観たノルウェーの映画『わたしは最悪』のテーマは、実は女性の眼からみた「人間はチンポであり、まんこなんです」といったものだ、とわかった。主人公の女性ユリアは、たまたま頭がよかったので医学部に進んで医学の勉強をするが外科の手術とか人間の身体を観たり弄ったりするのが性に合わないと、実は身体ではなくてこころ(精神)のほうに興味があるとかいって、医学をやめてしまう。次にはカメラウーマンをこころざしたりする。コミック作家の40台の男性と付き合っている。40代の男性はこどもを欲しがるがユリアは子どもはまだいいと言う。年上の作家と同棲しながら偶然に立ち寄った他人のパーティーで若い男にであい、寧ろユリアのほうから誘惑していく・・・。というようなことで、女性版の「チルチルミチル」というか「青いとり症候群」なんだ。映画のテーマは「おまんこの物語」ということになるだろう。映画って面白い。
さて、横道にそれたが高橋源一郎さんの『さよならニッポンーニッポンの小説2』の最初の章は「全文引用」というものだった。いきなり、ここで小島信夫さんの『残光』という小説の「全文引用」が出てくる。高橋さんは他の小説(らしきもの)でも多くの引用をするので、どこまでが引用か地の文かが分からなくなったりする。ここにきて小島信夫さんが出てきた。実は私はいま小島信夫の『私の作家遍歴Ⅲ―奴隷の寓話』も読み続けている。この本にはトルストイ、ゴーゴリも出てくるので、途中で『復活』を読んだりしているので中断している。小島信夫さんも引用が大好きなので、そのところが高橋源一郎さんと相通ずるようだ。
この読書ノートは継続する。