どうも、この本は難しいな。
「1はじめに」にこういう件があった。
<ところが、私たちの患者たちは、普通に生きろ、普通にやれと言われて困っている。私たちは普通とは自明のことのように言い、心理学の質問調査では「普通」とすぐに記入し、成績も「普通」だと簡単に言うが、それは普通が分かっているということだろう。しかし、そもそも普通って何なんだろう。>
この辺のところはわかる。「普通の生活ができればいい。高望みはしない」なんて言い方がある。食うものがあり、寝るところがあり、働いてお金のはいる仕事があればいい。「普通の生活」って、そういうことだろう。さらに、妻や子ども「家族」が普通にあれば、なお良いなんていうが。
2 問題の在処ーフェアバーン理論の「良い対象」(を読んでいる)
「イギリスで、他との関係性の観点から自己を理解する対象関係理論を創出したフェアバーンの理論というのがあり、日本人の北山修さんが学んできてどのように消化してきたかが、この章の話の素材である」と書いてある。
こういう件があるんだが、私には理解できない。お手上げかな。
<彼(フェアバーン)の問題提起が精神分析の歴史の中で画期的だったのは、フロイト理論の十九世紀的な不自然さを発見し、エネルギー経済論のもつ蒸気機関や水をせき止めダムのイメージ、古典的精神分析理論のすべてに行き渡る二元論(心と身体など)、さらに本能論の根拠のなさを批判することであある。自我や超自我という構造と、それに支配され扱われるエネルギーという二元論的分裂をフォリスティックなものに再編成し、対象関係論を創り出した。>
3「普通の良い対象」
この項目で述べていることを読んでも理解できない。キーワードのみ解読しておく。
ジゾイド(Schizoid)とは、「社会的孤立していて、対人接触を好まず、感情の表出が乏しく、何事にも興味や関心が無いようにみえる」という性格特徴を表わす言葉なんだという。英語の意味は、「精神分裂傾向の、分裂質の」という意味である。
4 普通の考察
普通免許、普通車、普通預金、等々、日常的に使っている「普通」が実は分からないのだ。
安西水丸とうイラストレ―ターに『普通の人』(朝日新聞社)という漫画ある。この本の巻末に村上春樹が秀逸な解説を書いているんだって。読んでみたい。
以上、読んでは見たんだが、この章は「普通がわからない」ということが、分かっただけである。