TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

『長男の出家』(三浦清宏)を読みながら考える

 『長男の出家』という小説は作家の三浦清宏さんが、ご自身の体験に基づいて書いた小説なんだろうが、いろいろ考えさせれるところが多い。小学生の息子が父親の座禅について行っていて、そのうちに「お坊さんになりたい」と言いだして、中学生になっても気持ちが変わらなかっったらと言って結局お坊さんになった。坊主に弟子入りすることは、出家するということで戸籍上も、お寺の住職の子どもになる養子縁組ということであった。

 <息子は顔を車の進行方向に向けたまま、聞いているのかいないのかわからぬ様子で、じっとしていたが、しばらくして突然言った。
「お父さんはどうして坊さんにならなかったのですか」
「それは・・・・」
 とぼくは一瞬ハンドルを握る手に力を入れてたために、隣を走っていた車に接触しそうになり、あわててハンドルを戻して言った。>

 考えてみるともの心ついてから、父親とも母親ともまともな話をしたことが私にはなかったと気がついた。この小説の父親も多分息子の問いかけに驚いて戸惑ってしまったようなのだ。もしかしたら、私が結婚をする際に「養子縁組を申し込まれて、むしろ望むところのようして産み育ててくれた親の元を離れた時に、親たちはどういう気持ちでいたのだろうかとき気が改めてする。そして、私自身も自分の三人も授かった娘たちとも何一つ話をしたことがないのに気が付く。

「親と子は別人格である。望むように生きていけばよい」。