TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

『風よあらしよ』(村山由佳)を読み継いでいる―本を読むのに理由は要らない

 朝日新聞朝刊に連載中の池澤夏樹さんの『また会う日まで』(本日,527回)がもうすぐ終わるらしい。この新聞小説が始まった時に、衝撃的な出だしに惹かれて読んでいた。池澤夏樹さんは福永武彦の息子だ。姓が違うのは福永と母親が離婚して、母に育てられ北海道で池澤さんが育ったかららしい。この小説は、池澤の父の福永武彦の父親の幼少期のころから書き起こされていた。親子三世代以上にわたる一族の物語のようだった。それにしても、絵に描いたような恵まれた「親ガチャ」の物語だ。途中から読むのを止めてしまった。作者の池澤さんが、最近亡くなった朝日新聞記者で作家の外岡さんの追悼文を書いていた。2年位前に、池澤さんが北海道文学館館長をやっていた頃に、朝日新聞を止めた外岡さんが札幌に住んでいて、とても(考え方においても)親近感を持っていたが敢えて会おうとしなかったということを、池澤さんが書かれていた。人が人を理解するということは、こういうつかず離れず、話し合わなくてもよいのだと知った。
 ところで、池澤夏樹さんのあとの、朝日の連載小説を、次回はドイツ在住の多和田葉子さんが予定されている。10年くらい前に、英会話のノバ新宿に通っていたことがある。その時に、英国出身の英会話の教師から、「多和田葉子を読んでいる」と聞かされた。「誰その人」と思ったら、『犬婿入り』で1993年頃に、芥川賞を取った女性作家で、今はドイツに住んでドイツ語でも書いているんだと知った。そのあと、多和田さんに関心を持っている。去年、ファイザー新型コロナウイルスワクチンが開発された時に、ドイツのビオテックのワクチン開発に携わったのが、ハンガリーから移民してドイツでビオンテックで働いている夫妻だということを多和田さんが紹介していた。そんな理由で、次回の多和田さんの連載小説が始まったら読んでみたい。多和田さんは、東京のひとで、立川高校から早稲田の露文科を出ている。もとはロシア語で、ドイツに渡りドイツ語でも文章を書いている。そのほか、フランス語、スペイン語オランダ語なんかも翻訳するくらいのひとらしい。興味深い人だ。
 さて、「まえがき」がながくなったが、『風よあらしよ』を、序章から第8章 動揺、まで読み進めてきた。愈々、大杉 栄との出会いのところまできた。去年、相馬黒光さんの本を読んでいる時に、エロシェンコのはなしなんかと同じ時代に、幸徳秋水大逆事件、大杉 栄と伊藤野枝が虐殺される話も読んだ気がする。辻潤伊藤野枝が住んでいるところに、大杉が訪れてくるところまできたのだが、二人の出会いも、愛だの恋だのというのとも全く違うものである。今日は、ここまで。