TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

柄谷行人と資本論―触発される記事だな

 柄谷行人資本論から出発して文芸評論に進んだ人と知った。今年の朝日賞受賞者の一人だ。

 小林秀雄以来の日本の文芸評論を変革した人のようだ。柄谷行人の本は実は何一つ読んでいない。朝日賞の記事から引用しておきたい。

 柄谷さんは、1941年、兵庫県生まれ。東京大学経済学部卒。同大学大学院人文科学英文科修士課程修了。文芸批評から出発し、法政大学教授、イエール大学客員教授などを歴任。2002年バーグルエン哲学・文化賞を受賞。なんだって。経済学部を卒業して、人文科学の大学院へ進んだんだ。私より6歳の年上だ。

 <世界を動かす根本原理とは何か。(何なんだろう)「世界史の構造」(2010年)で、経済的な土台をなす「交換様式」を本格的に論じ、探求を続けてきた。昨秋、刊行した「力と交換様式」では、交換様式がもたらす「霊的な力」に着目。世界から争いや災厄が絶えない中、資本や国家を乗り越える未来の道について一つ結論に到達した。「徹底的に考え直した。前の本を完全に乗り越えたと思っています。>

 どのような結論に達したんだろう。

 <夏目漱石論で文芸批評家として出発したのは1969年。「風景」や「内面」といった日本近代文学の装置そのものを問い直す鋭い論考は、国内外で評価された。>

 そうか、柄谷さんも漱石論で出発したのか。江藤淳漱石の評論で出発したのではないのか?高橋源一郎さんも漱石に随分と言及している。

 <ソ連が崩壊し、自由・民主主義の勝利がうたわれた1990年代、マルクスの「資本論」から交換様式を着想した。資本や国家への対抗をめざす社会運動も実践してきた。>

 どんな社会運動を実践してきたのだろう。

 <哲学者に転じたと言われるが、自身の仕事を著書「マルクスその可能性の中心」になぞらえ、「文芸批評の可能性の中心ですよ」と振り返る。テキストの従来の読み方にとらわれず、その根底に迫る姿勢は一貫している。『力と交換様式は』は文芸批評。古今東西、いろいろなものを読んで考えた。全ては文学と言えば文学ですから」 (真田香菜子さんの署名記事、より引用した)

<コメント> 面白い人のようだね。私の大学の教養部の友人の一人HI君は北海道大学経済学部でマルクス経済学を専攻した。4年で卒業して当時の三和銀行に就職。その後、英国のたしかマンチェスター大学大学院に進み、卒業して帰国して、日興リサーチセンターでエコノミストとして勤務した。数年後に母校北海道大学経済学部の教授に招かれて、教授に就任した。恐らく40歳から60歳くらいまで教授職を務めた。2000年頃に札幌に行った折に一度、教授室を訪ねて行って会ったのが最後だ。彼は当然ながら,『資本論』を読んで理解していたんだろう。柄谷さんが『資本論』から着想を得て、文芸批評に転じたのはとても興味深い。『資本論』を今からでも読めるだろうか?