TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

「社会保障・科学政策の将来に警鐘 広井良典さん(62)」という刺激的な記事を読む

 本日(2023年7月5日)は、夕方から合気道の水曜日稽古の日である。恒例の夜稽古である。「合気道はあなたに自由をえさせる」という確信がある。人格の陶冶のために合気道の稽古をする。真向法により身体を柔らかくして、私は自由になる。私が自由に生きることが同伴者に恩を返すことになる。この論理は生きていく中で証明する。

 さて、「科学技術の危機 年金削ってでも研究費をー役所の壁超えて大学に予算配分 持続可能な社会への必要投資」という大きな見出しと共に標題に示したインタビュー記事が朝日新聞朝刊(2023年6月27日)に載っていた。広井良典さん(62歳)の最近5月30日)の上半身写真も載っていた。今から25年くらい前まだ四十歳代で千葉大学時代の広井良典さんに雑誌「病院」の編集会議で何度もお目にかかった。広井さんは医学・医療政策の専門家で新進気鋭の研究者であった。途中で米国留学にいかれた(後で履歴をみてみよう)が、得難い人材であるので編集委員に留学中もと止まっていただいと記憶する。広井さんは千葉大助教授、教授を経て2016年から京都大学教授に転じた。いまは、京都大学「人と社会の未来研究院教授」なんだという。

 読み始めると興味深い記事だ。「年金削ってでも」という文言はともすれば批判も受けよう。ただ、理化学研究所や東大などで研究者の雇い止め(要するに解雇)の記事を読んだりすると日本の科学研究の進歩に対して素人の私でする薄ら寒いのを感じる。「これでいいのか」「いいはずがない」
 この記事は小林哲さんという記者が広井さんにインタビューしてまとめたものだ。以下、引用しながら読んでみたい。

 <日本の科学技術は研究力が低下し、厳しい状況にある。たち直らせるには、社会保障費の一部を削ってでも大学にお金をまわすべきだーー。こんな提案を社会保障や科学政策の研究者がしている。医療や年金の費用がふくらみ国の財が硬直化するなか、これまでの政策の抜本的な見直しが必要だという。その真意を聞いた。>

 広井さんは、近著『科学と資本主義の未来ー<せめぎあいの時代>を超えて(東洋経済新報社)』で、『年金の予算の一部を科学研究や大学教育など若者のために使うべきだと主張しているんだという。

 たしかに、若手研究者のポスとが、任期付きで不安点なのは再三指摘されている。「雇い止め」なって言うと解雇だろう。腰を据えた研究がやれるはずがない。20年くらいまえに大学が独立法人化されたときに国立大学はなくなり、大学病院とても利潤をださなくてはやっていけないようになったのだった。広井さんはこう主張する。

「・・55兆円を超えてさらに増えていく年金給付のうち、高所得者に給付されるものの一定額を(研究費に)まわす。合計で数千億円から数兆円を、科学研究や大学教育に再分配するのです。」
 ものは、そう単純ではないようだ。広井さんの提言がは的を射ているのであろう。日本の研究力の低下は、ノーベル賞受賞者大隅さんや本庶さんも既に声を大にしている。その現実は、日本の重要論文数の低下に顕現されている。

重要論文数 G7国のなかで最下位■
 科学技術や研究力の指標となる論文の引用件数などのデータは、日本の実力が質量ともに衰えていることを示す。
 文部科学省のの科学技術・学術政策研究所の分析によると、大学や企業などの研究開発費は、米国、中国について3位だが、、論文数はこの20年で2位から5位に下がった。引用数が各分野のトップ10%に入る重要論文数は20年で4位から主要7カ国(G7)で最低の12位まで後退した。

くコメント>

 興味深い記事を読んだ。ところで、日本人の科学論文で、インパクトファクターの高いのは誰のものだろうか?興味深い。ともあれ広井さんの本『科学と資本主義の未来ー<せめぎあいの時代>を超えて(東洋経済新報社)』を探して読んでみたい。