TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

朝日歌壇と俳壇を読む―やはり辛い世相の歌が選ばれている

 第39回朝日歌壇賞が載っていた。2022年の入選歌から各選者が一首を選んでいる。ウクライナ戦争と福島の歌、幼児虐待の歌が選ばれていた。

 手始めに線量測る畑仕事十二年目の福島の春(須賀川市 近内志津子)⇒馬場あき子選:
 2011年3月11日から12年が経つのだ。ということは、2011年1月末で私は退職したから12年目なのだ2023年は。12年目になっても福島の放射線の量は減っていないのか?福島から150キロ離れている群馬の私の実家でも、福島原発事故放射線の影響で生業の椎茸栽培ができなくなってしまった。直接ではないが、3.11の原子力発電所事故の影響なのだ。

 戦争は祈りだけでは止まらない 陽にやかれつつデモに加わる(東京都 十亀弘史)⇒佐佐木幸綱選:
 十亀さんは、かつての獄中歌人だ。お写真をみると、1960年安保世代かな。80代になっているように見える。すぐれた世相歌人となっている。

青森は上空通過のミサイルもウクライナでは通過なぞせず(御所河原市 戸沢大二郎)⇒高野公彦選:

虐待という言葉まだ知らぬ子は「ママごめんね」と餓死をしました(岡山市 牧野恵子)⇒永田和宏選:
 選ばれた牧野さんが、「虐待された子が飢えて死ぬ寸前に、なんで謝る必要があるのか。あまりにも悲惨なので歌を詠まずにはいられませんでした。」とコメントしている。

 なんか世相の暗さ 辛さが詠われているのを読むのが辛い。

 今週の入選歌に移る。

<「人は皆必ず死ぬ」とプーチンが戦死の兵の母に言いたり(観音寺市 篠原俊則)⇒高野公彦選: 篠原さん、またウクライナとロシアの戦争を詠うのか。

<ぎりぎりのゴールラインで蹴り返す三苫薫の<ブラボー>な足(安中市 鬼形輝雄)>⇒高野公彦選:
 鬼形君、また入選したね。すごい、おめでとう。私の同級生の歌だ。

<暗き部屋に老女が独り寒いのと震えておりぬこれが戦争(松戸市 遠山絢子)>⇒永田和宏、高野公彦共選:

<わが病状進まずに春には出会はんとチュウリップ八つに土をかけやる(蛤良市 北村あゆち)⇒馬場あき子選:これは、希望の歌なんだろうな。

<またひとつ高層ビルが建ちあがり街はますます無口になりぬ(川崎市 荒井美千代)>⇒ 佐々木幸綱選:
 「無口になりぬ」という擬人化が秀逸に思える。

 俳壇も読んだ。

<働きて働きて老ゆ木の葉髪(泉大津市 多田羅初美)>⇒長谷川櫂選:

<冬の蜂皇帝ダリア飛び回る(東京都 小出功)>⇒大楠章選:

ワクチンへ重ね着の腕しぼりだす大阪市 上西左大信)>⇒高山れおな選: