TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

大いに気になる本『日常語の精神医学』(土居健郎、医学書院、1994年、4100円)のこと

『家族の深淵』(中井久夫みすず書房、1995年)を読んでいる。ところが、こういうエッセイ集のタイトルには騙されてはいけないと知った。「家族の深淵」は冒頭の短いエッセイのタイトルであり、これが本のタイトルになっているのだが、この本は「家族の深淵」で網羅するというか貫くものは一つもないと知った。

 それで、途中から最後のほうの「医学部というところ」を今日は読んだ。面白い。中井さんは、京都大学の法学部に入って途中から医学部に転じたのだった。冒頭にこうあった。

<四十年の昔、他の学部から医学部に転部したら、理学部の友人が、解剖学や内科学の教科書を手に取って、アスファルトの道を炎天下に長時間歩くようなものだな、医学ではこれが学問か、面白いか、そんなゼミもなく必須科ばかりのところが大学といえるかよと言った。
 当時の医学部は、確かに、大学というよりも士官学校に似ていた。・・・・>

 もしかしたら、いまでも医学部の基礎教育は、いまでも実学士官学校のようなのかもしれない。そいう意味で、アメリカのように一般教養の大学を経て実学として専門教育を受けたほうがいいのかもしれない。

 次に、「諸国物産絵図」を読んだ。このところも、中井さんが学んだ阪大医学部、東大分院を例にあげて、カルテの書き方様式一つとっても全く違うときうこと、変わった教授がいたことを書いているので、思い出の記録のようものだ。・

 その次に、「歩行者の思考ー土居健郎『日常語の精神医学』ー」を読んだ。
 

続く