TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

気になる『「甘え」の構造』本と著者の土居健郎さんのこと

 中井久夫さんの『家族の深淵』を読んでいたら、ときおり土居健郎さんへの言及がある。土居さんのことを気にしていたら、中村健之介さんの『永遠のドストエフスキーー病という才能』においても、中村さんが土居健郎さんの本から引用していたことを思いだした。そして、もしかしたら、私は在職中の2000年時代に、たしか雑誌「病院」か「公衆衛生」か何かの企画で、「インタビューについて」のようなテーマでお話をお聞きする機会に恵まれたような気がする。編集者の中畝輝男さんが一緒だったかもしれない。これが事実なら一度だけでも直接おめにかかったことがあるのだ。記憶が確かではない。『方法としての面接―臨床家のために』(医学書院,)という本がある。この本の新版がでたときに、「面接について」のテーマでインタビューをしたのかもしれない。この件は、後日、記憶をたどってみよう。

 さて、『「甘え」の構造』(弘文堂)を稲城図書館にリクエストしておいたら手に入った。なんと、増補普及版第2冊発行(平成19年、2007年)発行のものだ。初版が、昭和46年(1971年)2月25日に出ている。1971年は私が医学書院に入社した年だ。この本により、「甘え」という概念は人口に膾炙してきたのだろう。本も随分売れたのだと思う。この新版は、「増補版普及はしがき」「はしがき(初版はしがき)」に加えて、兆著者自らが、『「甘え」今昔』という、屋上屋を架すような「前書き」を冒頭に記載している。その冒頭はこう始まる。

<「甘え」という非常にありふれた、したがって誰でもその意味を知っているはずのコトバを主題にした本書を世に問うてから三十数年の歳月が流れた。これまで誰も注意しなかった「甘え」を取り上げたことで本書が世人の注目を引き、広く多くの読者を得たのは望外の喜びであったが、しかし「甘え」とはそもそも何かという問いをめぐり著者と考えを異にする意見がその後出るに至ったのは当然の成り行きであったろう。私は批判に対してその都度自分の視点を明らかにすべく努めた。それで一九七五年には「『「甘え」の構造』補遺」を発表し、一九八〇年には「「甘え」再考」を書き、刊行二十周年の1991年には「甘え」が本来非言語的心理であるという事実をめぐって新しい序文を書き、更に二〇〇一年 には「続「甘え」の構造」を出版して「甘え」概念の総括的考察を試みた。しかし恰度そのころから私の「甘え」理論に対し表だって異論を唱える者もでなくなったのである。・・・・>

 初版の『「甘え」の構造』(弘文堂)を購入して私は読んだ記憶がある。本も書棚に残っていると思う。さらに、1990年代の末に、マコーミックという米国の NIHに勤務していた経歴があるとう米国人に英語の個人教授を受けた時に、彼から、英語版の『「甘え」の「構造』の存在を知って、英語版も購入した記憶がある。この本も持っているかもしれない。それなのに、「甘え」理論につて理解はできていなかったろう。さらに、土居さんは2009年7月5日に、89歳で逝去された。その年(2009年)の10月頃に、たしか新宿の京王プラザホテルで開催された、「土居健郎さんを偲ぶ会」に私は出席した記憶がある。これは、私手帳で確認して後日に確かめたい。土居さんは、印象では地味な感じの比較て小柄な学者然とした方だっと記憶する。
 『「甘え」の構造』をこの機会に再読してみたい。それで、基礎知識として、本の著者紹介を転記しておきたい。

土居健郎さんお経歴■
1920年 東京生まれ〜2009年7月5日逝去。
1942年 東京大学医学部卒業。
1950年ー52年 アメリカのメニンガ―精神医学留学。
1955年ー56年 アメリカのサンフランシスコ精神分析協会留学。
1961年ー63年 アメリカの国立精神衛生研究所に招聘。
1957年―71年 聖加加国際病院精神科医
1971年ー80年 東京大学医学部教授
1980年―82年 国際基督教大学教授
1983年ー85年 国立精神衛生研究所所長
2007年頃   聖路加国際病院顧問

 

<コメント>
土居健郎さんの『「甘え」の構造』を、次に読んでみたいので、概要をまとめておいた。それにしても、近くにおられたのに面識がなかったのは残念だった。