TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

「ゲノム構築って何?」ー興味深い新聞記事から

 「二重らせん 発表から70年(中)」という興味深い記事が「ゲノム構築時代 将来の産業変える?」という大きな見出し付きで新聞に載っていた。(2023年4月28日、朝日新聞朝刊)「中」なので、もしかしたら一週間前の金曜日に「上」が載っていたのかもしれない。

 「二重らせん」から三十年の特集企画を医学界新聞に掲載したのは1983年のことだった。特集企画葉は以下の様だった。(後日、補足)
 DNAも分子生物学も知らない私が、その時から医学・生物学に関心を持ちながら過ごしてきた。今回の記事の冒頭は、以下のようだ。

 <遺伝情報の蓄積と複製を担う、DNAの二重らせん構造モデル(の発見)から70年、ヒトの全遺伝情報解析から20年。その影響はあらゆる生命科学に及ぶ。人類学に新たな視点をもたらし、将来の産業も変えそうだ。ゲノム科学の人類学に与えた影響を東京大学の太田博樹教授に聞いた。>(瀬川茂子さんの記事だ)
 以下記事を読みながら概要をまとめてみたい。
(1)ゲノム解析が高速にできる「次世代シークエンサー」の登場。! スパンテ・ペーボ教授(独・マックスプランク研究所)が、絶滅したネアンデルタアール人のゲノムの解析をを行った。(2022年のノーベル医学生理学賞を受賞した)
(2)ゲノム編集からゲノム構築の時代へ。
 2012年に報告されたゲノム編集技術「CRISPR/CAS9」により狙った場所で自在にゲノムを書き換えることができるようになった。ゲノム解析、ゲノム編集技術が進歩して、ゲノムの広い領域を変えることで、従来にない機能をもつ細胞を開発できるようになった。これを、設計の意味も込めてゲノム構築と呼んでいる。

(3)ゲノム構築の具体例。
 米国のグレイグ・ベンター博士のグループが、2010年に、細菌ゲノムを構築、その人工ゲノムで自己増殖する人工細菌を作った。
 相澤康則准教授(東工大)らは、「16本の染色体をもつ酵母のゲノム構築を進めて、2017年に一部を報告した(米科学誌、Science)。
(4)「バイオものつくり」は新しい時代に。遺伝子を細胞に入れて医薬品を作ったり、植物の品種改良や素材・燃料などに活用したりする。

<コメント> 解析の進歩で人類の足跡が分かるのは興味深い。一方、遺伝子を解析するのはいいが。編集して新たな構築は一歩間違うとどうなるのだろうか。神の領域をを侵すことになるのは・・・。