TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

「第六章 隙間に「自由」が宿るーもうひとつの発達論」 (『リハビリの夜』熊谷晋一郎)を読む

 『リハビリの夜』熊谷晋一郎)を読み終えた。むつかしい本だった。語りが難しい。

「身体内協応構造」「身体外協応構造」「ほどきつつ拾いあう関係」「○○の官能」とか、独特のキーワードが理解を難しくしている。ただ、わかったことはこの方は普通ではできない生き方をしているということだ。ほかの人の介助なしには暮せないなかでひとりでくらしている。一人なんだがパートナーもできた。「ほどきつつ拾い合う関係」をむすべる方ができたのだ。最終章で「2 便意という他者」という項目があった。うんこもおしっこも一人ではできないんだ。でもこの方はそれでもきちんとひとりで暮らしている。熊谷さんは1977年生まれなので、1947年生まれの私よりもちょうど30歳も若い方だ。

 『リハビリの夜』は2009年10月に出版された。私は62歳だった。熊谷さんが32歳の時の本だ。この本を編集した白石正明さんは1958年生まれだから、白石さんが51歳の時の本だ。この本は「あとがき」を読んでみると、編集者の白石さんが熊谷さんに書かせた本と言えるだろう。この本を書くことによって熊谷さんは自立して世に出た。この本は新潮ドキュメント賞を受賞したことによって、著者の熊谷さんも編集者の白石さんも社会的に認知されたのだと思う。

 さて、一応この本を読んだことにして『中動態の世界ー意志と責任の考古学』(國分巧一郎、2017年)に戻って読み進めていきたい。何が見えてくるのだろう。