今年のノーベル化学賞が、ゲノム編集に決まったことは既に触れた。受賞に輝いたのは二人の女性科学者だ。まさに、リケジョの快挙だ。ゲノム編集は、生命の情報を自由に書き換える画期的な技術で、「現代の生命科学における三大発明のひとつだ」と福岡伸一さんは言っている、と新聞に書いてあった。(2020年10月8日 朝日新聞)遺伝子を操る技術なので、これを使うには倫理面や安全性の検討が欠かせないのは当然のことだ。中国の科学者が、この技術を使ってエイズウイルスに感染しにくい赤ちゃんを誕生させて世界の批判を受けたのはつい2年前2018年の秋だった。
以下、上記の新聞から引用しながら、記憶と記録にしたい。
<科学史を振り返ってみると、「三大発明」というものがありました。ルネッサンス時期の活版印刷、火薬、羅針盤で、世界に革命をもたらしました。では、現代における三大発明は何か。私(福岡さん)が考えるには、一つは新型コロナウイルスの検査で活躍しているPCR法。二つ目は画期的ながん免疫治療薬「オプジーボ」に代表される「モノクローナル抗体」。もう一つが今回の授賞対象になった「ゲノム編集」です。>
■遺伝子工学関連の主なノーべル賞■
1962年受賞(医学) DNA二重らせん構造の発見 1954年(ワトソン・クリック)
1978年受賞(医学) 制限酵素の発見 1968年(ネーサンズ、アーバー、スミス)
1980年受賞(化学) 核酸の塩基配列の決定方法 1977年(サンガー、ギルバート)
1993年受賞(化学) DNA増幅方法 1983年(キャリー・マリス)
2007年受賞(医学) ES細胞を用いた遺伝子操作マウスの開発 カペッキ、スミシーズ、エヴァンス。