TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

77歳の誕生日に朝日歌壇と朝日俳壇を読む ~ 「鬼やんまわが持たぬものすべてもつ(佐渡市 千 草子)」がすごい句だ

 77歳の誕生日だった。古希の意味は「古来之稀なり」と聞いた。稀なくらいの長生きなのだ。そこで考えた。もう一度素面で生きなおしてみようかと思った。町田さんはあるひ意味もなくそう決意したんだと書いてあった。私の場合は素面の同伴者と気持ちよく生きるには、日々「素面で」いるしかない。毎日、素面で生きている同伴者のYさんは嘸かしつらいのであろう。付き合ってみる。

 <つくる人売る人買ふ人ありてぞ武器に殺さるる人(焼津市 増田謙一郎)>⇒永田和宏撰:
 ウクライナガザ地区でなくても世界の戦争を考えるとこの歌のような状況はある。しかし、こういう歌をどのような詠嘆で詠むのだろうか?そして撰ぶ人はこのうたをどう評価するのか?

<黄昏に隻脚(せっきゃく)に佇つ白鷺の影むらさきに静まる湖畔(箕面市 大野美恵子)>⇒馬場あき子撰;
 これは美しい情景の歌だね。

<がま君くんとかえるくんとの友情を読みて小二の教室(へや)あたたかし(三重県 藤井恵子)>⇒佐々木幸綱撰:
 「第一首、十一月に他界した詩人・三木卓氏を追悼して氏の翻訳になる物語(「お手紙」)「小二の国語教科書に掲載)をうたう」と撰者のコメントあり。三木さんが亡くなっていたこと知らなかった。詩人で作家の三木さんの本はたくさん読んできた。三木さん1935年5月13日生まれで2023年11月18日にお亡くなりになっていた。三木さんの詩集を読み直してみたい。

<渡米時の大志破れて短歌あり我には歌の残されしのみ(アメリカ 郷隼人)>⇒高野公彦、永田和宏共撰:
 郷さんはアメリカの獄にある人だ。常連歌人のようだ。
 <『まだ生きていたのですよ』と読者へのメッセージ代わりの短歌を送る(アメリカ 郷隼人)>⇒佐々木幸綱撰:
 今回、郷さんは二首が入選していたのだった。

 次に、朝日俳壇を読む。

<象の名は花子と言へり開戦日(富士宮市 渡邊春生)>⇒長谷川櫂撰:
 渡邊さん、12月8日にこの句を詠んだんだね。花子は上野動物園の象だった。戦争に備え動物園の動物が殺されたのだと聞いたことがある。日本の戦争もつい最近だったのだ・・・。

「極楽も地獄も忘れ日向ぼこ(長崎市 下道信雄)>⇒大串章撰;
 この句もいいね。俳句は日常の生き方を短く切り取るのだ。

 本日は、第40回朝日俳壇賞(2023年のかな)が載っていた。各撰者が一首、トップ賞を選んでいる。

 <鬼やんまわが持たぬものすべてもつ(佐渡市 千草子)>⇒高山れおなさんが選んだ一句だ。すごい切り口だね。「鬼やんまへの讃嘆の裏に、諦観や自恃などさあマ座間な感慨が籠る丈高い句」と選評がある。

 ここまで読んできた。午後6時を過ぎた。酒が飲みたい。