「小春日和」という言葉があるが「小夏日和」という言葉ができてく気配がある。師走12月17日だというのに、田んぼ道を散歩していると汗ばんできた。久しぶりに布団を干してから家内のY子と一緒に、近くのよこやまの道の入り口から下に下って畑道、田んぼ道を二時間ほど歩いてきた。柿の実の取り残しがたわわになっていたり烏瓜のみも少し萎んではいたが目にした。帰宅してから、朝日歌壇と朝日俳壇を読んだ。
<言語野に幽(かそ)けき花が一つ咲く息子が私を「お母ん」と呼んだ(戸田市 藤原真理)>⇒佐佐木幸綱、馬場あき子共撰:
「第一首、重度知的障碍者の息子さんが二十五歳になって、初めて母である作者を読んだ場面という。」と、撰者の佐々木幸綱さんがコメントしていた。これは凄い歌だ。お母さんは歌うことで強く生きてきた人だろう。
<老犬に引かれ老人歩みゆくふたつの影を包む夕光(福島市 美原凍子)>⇒高野公彦撰:
<二対一これが我が家の民主主義妻と娘がいつも勝つんだ(郡山市 寺田秀雄)>⇒永田和宏撰:
<解体する実家から我が家まで軽トラでそろり仏壇運ぶ(東京都 村上ちえ子)>⇒馬場あきこ選;
今週は、やはりガザ地区の戦争の歌が多かった。イスラエルとハマスの戦争が始まってから、ウクライナとロシアの戦争は新聞報道から消えてしまった。
<麻酔なくスマホのライトにメス握る医師の腕には包帯巻かれ(中津市 瀬口美子)>⇒高野公彦、馬場あき子撰:
この歌は、ガザ地区の病院のことだろうか?この映像を作者はテレビ画面で観て詠んだのか?
朝日歌壇に戦争の歌が本当に多いのが辛いといううしかない。
次に、朝日俳壇を読む。
<ふる里につつまれてゐる日向ぼこ(矢代市 やましたしげ人)>⇒大串章撰:
「身も心も温まる至福のいっとき。懐かしいふる里」と撰者のコメント。
<梟や静かなる人恐るべし(築西市 加田 怜)>⇒長谷川櫂撰:
<落葉焚くしがみついたる空蝉も(府中市 矢島 博)⇒高山れおな撰: