朝日新聞の毎日曜日の朝日歌壇を3年ほど読み続けている。今年の正月から読売新聞を購読し始めたら先日(7日かな?)、短歌と俳句の頁があるのを知った。やはり、俳句、短歌と言った短詩型は人気があるのだろう。
さて、歌壇から読んでみる。
<横雲が教室中に広ごりて定家と眠る五限の古典(西条市 村上敏之)>⇒馬場あき子、高野公彦共撰:
この歌が何で選ばれているのか分からなかった。古典は退屈だからだろうと思ったら、高野さんのコメント「定家の名作『春の夜の夢の浮橋たどえして峯にわかるる横雲の空』を教えても、生徒らは居眠り」を読んで納得した。
<ロシアにはダーチャがありて日本には耕作放棄地増えてキジ鳴く(安中市 岡本千恵子)>⇒馬場あき子撰:
「ダーチャ」はロシア語で別荘のことだが、この歌が何で選ばれるのか?面白くも感動も何もないではないか?
<鴎飛ぶ監獄の空晴渡りサッチモの歌を口遊(くちずさ)むかな(アメリカ 郷隼人)>⇒佐々木幸綱撰:
郷さんはアメリカの獄中にある。毎週、入選しているのだね。サッチモはルイ・アームストロング(トランペット奏者)だね。郷さんは、もう一つ入選している。
<クリスマス・キャロル合唱せしチャペル多人種混合のミサのお祈り(アメリカ 郷隼人)⇒高野公彦撰:
<ほんたうは羨ましいのよひとりよりふたりがいいに決まってゐるわ(豊中市 夏秋淳子)>⇒永田和宏撰:
<ガザはガーゼの語源と知りてかなしみのいや増す街よ破壊のつづく(香芝市 関口光子)>永田和宏、高野公彦共撰:
今週の歌で気にいったんはこれだ。
<吊橋の下に流るる鬼怒川の水のとろりと青みて冬来(多摩市 豊間根則道)>⇒永田和宏撰:
この歌は叙景歌というのだろうか? 風景がみえるようだ。
次に俳句に移る。
<老いの春酒一合のわが命(青梅市 市川葦舟)>⇒長谷川櫂撰:
<卒寿なほ励む筋トレ年暮るる(敦賀市 中井一雄)⇒大串章撰:
<虎落笛これは地球の回る音(枚方市 秋岡実)>⇒高山れおな撰:
<ウクライナよりの嘆きか虎落笛(今治市 横田青天子)>⇒大串章撰:
「虎落笛」は冬の季語で、風がヒューヒューと吹く音のようだ。