TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

『口秋々(しゅうしゅう)吟』(松本清張)を読んだ ~暗い哀しい物語だ・・・

  この小説は「オール読物」(昭和28年3月号)に掲載された。「オール読物」は五、六歳の私の家にあった二冊の本の一つだ。もう一冊は「家の光」という雑誌だ。昭和28年というと昭和22年生まれの私が6歳の時のことだ。この小説は清張さんの四作品目だろうか?

 昨日、『或る小倉日記伝』を読んだ折に既に紹介したが同時期に書いて「三田文学」とは別に『オール読物』(こちらも「文藝春秋」社だ)に送った小説だった。当時の編集長の上林吾郎さんから「新人杯」を受けるかどうかの電報が届いという。「当選すればお受けすると返電しておいいたが二席に止まった。入選は南条範夫さんだったという。

 『口秋々(しゅうしゅう)吟』はなんという暗い哀しい小説なんだろうか。松本さんは最初からこのような暗い人間のどうしようもない闇を描くことに長けていたのであろうか?これもどこかに題材(モデル)の人物が存在してういたのであろうか?そもそも小説のタイトルの『口秋々(しゅうしゅう)吟』が漢字変換で出てこないし無学の私には意味も分からない。ますます松本清張さんに惹かれるものがある。

 さて、本日の気になる本を書いておく。

(1)『逝きし世の面影』(渡辺京二
   『江戸という幻影』(渡辺京二

 二作とも武道家甲野善紀さんが「X」で触れていた。甲野さんは単なる武道大家では止まらない人のようだ。二作とも是非探して読んでみたい。

 (2)『入門 山頭火ー ただの酒飲みか、偉大な俳人か、流浪する民か、真実の僧かーー。』’(町田 康、春陽堂書店、2200円)
 町田さん、酒を止めたんだが酒飲みのことを今も好きで調べているのだろうか?