『半生の記』(松本清張)を読み継いでいる。この本は清張さんの16歳頃からの成長記録である。書下ろしなんだろうか。面白い。すごい本である。もっと前に私が駆け出しの記者時代に読みたかった。
本日は、「山路」「紙の塵」のところを読んだ。清張さんは絵心があったので独学で印刷所の「版下描き」になったのだ。その仕事から朝日新聞が西部本社(福岡)を作った時に潜り込んで後に社員になったのだ。
<私は朝日新聞西部本社で約二十年間働いたが、はじめの二年間は社外の人間で、その後の二年間は嘱託だから正式な社員ではなかった。それで残りの十六年間が「朝日の人間」としての在勤期間である。この間に三年間の兵役が挟まれている。
朝日新聞社勤めている間、私は概して退屈であった。生活が最低の線で保障されたため、一日一日を生きていくという緊張感を失った。>
面白い書き方である。どういう経緯で小説を書くようになったのだろうか?
続く