三時間半という時間を要してスティール物置を組み立てた。4月25日にやはり半日かけて物置を解体した。いまから10年前に購入して自分で組み立てたものだ。今回、家の壁の塗り替えをするので軒下の壁に寄せて設置してあった物置が邪魔になったのでの処置であった。思えば無駄な時間でもあった。しかし、この単純で細かい肉体労働を完遂することができた。すべからく「スロー・アンド・ステディ」であった。この作業はこれから後半の生きる上での指針を示してくれた。
ここで、『自分を休ませる練習(矢作直樹)』を想い起した。読み返して引用して記録しておきたい。
「美しい所作は、心とからだにいい」
この言葉自体が合気道稽古の神髄を表わしている。「美しい稽古はあなたに自由をえさせる」のである。
<残心(ざんしん)、という言葉をご存知でしょうか?
弓道、剣道、柔道、(合気道)などの武道、さらに伝統芸能の世界でもよく使われる言葉です。意味としては、「それを終えた後、力をゆるめる、あるいはくつろぎながらも、まだしっかりと注意を払っている状態」です。気持ちが切れていない状態、ともいえるでしょうか。
日常生活でも、残心を生かしてみたらいかがでしょう。
ドアや襖は、静かに、最後まで閉める。湯飲み、コップ、食器は、静かに置く。静かに歩く。無用な音は立てない。
これらは所作としても美しく見えます。
食事を済ませた途端、バタバタと立ち上がらない。余韻を大事にしてください。お茶を飲み、落ちつてから片付けましょう。>
もともとは外科医である矢作さんはどうしてこのような文言をかける人になったのであろうか?矢作さんは若い頃には登山家であり一度は命をおとすような遭難も経験していると何処かで書いていた。武道家ではないようだ。ヴェジタリアンで肉は食わず、おそらく酒も飲まない人であると思う。私よりも若い人で67歳くらいだろうか?今はなにをしているのだろう?
「残心」を持って生きる。スロー・アンド・ステディに生きるが、これからのキーワードであると確信した。