TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

堀田善衛「方丈記私記」を再読する!

 堀田善衛の「方丈記私記」を読み始めた。かの「方丈記」は58歳の鴨長明が23歳の時に目にした京都の火災の惨状を描きだしている。長明の眼には35年前のありさまが見えるのである。堀田さんの記述はこうだ。「けれどもこの男は、物好き、好奇心、野次馬根性というだけのことでは片付かぬような場所や人物に遭遭しに出掛けて行く。歌人としても、神主の息子としても、どう見ても何の用もありもしないところへもかなり危険を犯してまで出掛けて行く。」翻って、「方丈記私記」は東京大空襲あとを描いているのだろうか?

 ■何故、いま、堀田善衛か?■

 いま堀田前衛を読むにはとくに理由はない。ただ私の本棚にあった筈だと昨日捜したら『スペインの沈黙』(筑摩書房)を見つけた。この本の最初の章「インタビュー なぜゴヤか?」を読んだ。堀田さんは富山県の廻船問屋の息子なのだ。家の商売が傾く前はかなり裕福な生活をしている。自伝的な小説「若き日の詩人たちの肖像」は読んだことがあると思うが本はない。『方丈記私記』(筑摩書房)と『美しきもの見し人は』(新潮社)が本棚の一番上に並んでいた。その隣には武田泰淳の本が幾つかあったから1970年代の私の本集めの傾向がわかる。1971年に出版社に就職た。出版社同士の特権で仕入価格(75~80%)で本が買えたので貧しい学生時代の反動で本を買い集めた。しかし積読・並置くで40年が経過した。『インドで考えたこと』(岩波新書)は読んだ。このブログ(57回)で既に紹介した精神科医の林峻太郎さんの項で題に付けた「ペルーで考えたこと」のタイトルは、堀田さんの「インド」のアナロジーで付けた。ともあれ私の本棚が「堀田善衛を読め!」と語りかけてきた台風15号の近づいた夜だった。感想は読後に書くことにする。