TomyDaddyのブログ

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ハンセン病家族補償法成立

ハンセン病元患者の家族に対し一人あたり最大180万円の補償金を支給する補償法と改正ハンセン病問題基本法が、11月15日に参議院本会議で全会一致で可決され成立した。22日にも施行され、早ければ来年1月末に補償金の支給が始まる。この機会にハンセン病の歴史的経緯をまとめて振り返ってみたい。
 ■ハンセン病 とは■
 ハンセン病はライ菌(Mycobacterium leprae)が主に皮膚と神経を侵す慢性の感染症である。1873年にライ菌を発見したのノルウェ―のアルマウエル・ハンセン医師の名前をとりハンセン病と呼ばれるようになった。1940年代に特効薬のプロミンが発見され、早期治療により後遺症がなく治せるようになった。らい菌は感染しても発病はまれで、衛生や栄養状態の良い現在の日本では発病することは稀だ。
 ■ハンセン病をめぐる国の隔離政策の経緯■
 1907年 「らい予防に関スル件」法律制定。
 1909年 上記の法律が施行され国による隔離政策の開始。
 1925年 国立ハンセン病療養所の在所者数 1898人。
 1931年 「らい予防法」(旧法)が制定。全患者を隔離対象とする隔離政策強化。
 1936年 ハンセン病「20年根絶計画」開始。
 1940年 厚生省が「無らい県運動」の徹底を通知。
 1947年 日本で治療薬プロミンによる治療開始。
 1948年 優性保護法施行。患者や配偶者の断種、堕胎を明記。
 1951年 参院で国立療養所の3園長が患者隔離の必要性を証言。
 1953年 旧法を引き継ぎ、らい予防法が成立。
 1954年 熊本県で患者を親に持つ児童の登校が拒否される。(黒髪校事件)
 1960年 WHOが確認を否定し、外来治療を提唱。
 1972年 沖縄が本土復帰。
 1994年 国立ハンセン病療所所長連盟が予防法廃止を求める見解。
 1996年 らい予防法廃止。
 1998年 元患者13人が国に損害賠償をを求め熊本地裁に提訴。
   2001年 熊本地裁が国の隔離政策を違憲とし国に賠償を命じる判決。国は控訴断念。(小泉首相)。元患者に補償金を支払う「ハンセン病補償法」が成立。
 2009年 「ハンセン病問題基本法」が施行。
 2013年 元患者らが最高裁に第三者機関による特別法廷の検証を要請。
 2015年 最高裁が学者や弁護士でつくる有識者委員会を設置。
 2016年 元患者の家族が熊本地裁に提訴(2月)。最高裁が調査報告書を発表(4月)。特別法廷について「差別の助長につながった」と謝罪する。一方、違憲性は認めず。
 2019年 6月に熊本地裁が国に賠償命令。国は7月に控訴を断念(安倍首相)。11月、元患者の家族に最大180万円の補償金を支払う法律が成立した。

 以下、更新予定。